2010年9月10日金曜日

転がった先

≪ブログという存在を忘れていたわけではないが、転がっている最中であり更新がストーンと落ちていた≫

前職を辞めた。出戻り職場で2回目の退職。残念な結果であったし、不満もたくさんあるが、出戻りする前に社長の本質を見抜けなかった自分がしょぼいので、もういい。

在職中にお誘い頂いた会社の方々と一通り話をした。

前職と同じ業界の競合会社2社に関しては、自己哲学として、やはり受ける気持ちになれなかった。
産業廃棄物処理業の営業職も労働条件や業界風土面でぴんとこなかった。
ビルメンテナンス業の営業は待遇提示はがんばってくださったものの、これまた何かアンテナにひっかからなかった。
塾に関しては、わが子が出来てから人様の子に熱意をもてないので対象外。
飲食店の店長職はシフト面で日勤希望の部分がどうも譲れなかった。
残ったひとつが損保代理店研修生というお誘いだ。

損保代理店研修生という選択肢は、最初はもっともないものだった。

お誘い頂いた方が個人損保代理店として20年以上されている方だった。
この方への個人的イメージが良かった点(俺の保険加入は別のところにしているが・・・)、また、俺が退職意向であることを話す前にお誘いいただいたことがあり、話を聞くことにした。

退職までのいきさつにもどるが、ある組合の職員としてのお誘いをいただいていた俺は、そこで2年後に定年退職者が出るから、その後に入らせて頂く段取りになっており、それまでは前職でだましだましいるつもりだった。

だが、前ブログでも書いたいきさつで、早まった退職をする。

損保代理店研修生のお誘いを頂いた方に、組合への2年後就職意向であることを伝えると、「それなら、なおさら挑戦してみたらいい」と言う。

損保代理店研修生として1年半過ごせば、見込みがあるかだいたいはわかる。いざダメだとなった時に、再就職先見込みがあるのは、そこに甘えない限りは心強いという。

なるほど?? と半信半疑で話を聞きにいく。

支社長は良い面よりも大変な面を教えてくださる。業界イメージがあまりよくないことも否定されない。
ただ、これからは義理、人情で何とかなる業界でないので、能力を持った方に真剣に関わって欲しいという。

3時間近くに及ぶSPI試験というものを受けた。高得点を出した。当たり前だ、勉強したから。結果を見て支社長は、俺が間違いなく適性があるという。

いろいろ業界について調べた。ネットを見ると悪いことばかり書いている。「食えない」という主旨がほとんどだ。おまけに、研修生として独立できるのはほんの1割くらいで、それ以外は研修期間にノルマを達成出来ずに解雇されるという。

ところが、これらの情報がまったく俺にはドン引き対象とならなかった。

「食えない」と書いている人ばかりがネットにはびこるということは、「食える」人はネットに「食える」とブログアップしないだけだろうと考えた。

独立できるのがほんのわずかということに対しても、当たり前だろうな?としか思わなかった。

俺はKO通信を4年で卒業し大卒資格を得た。入学前にはいろんなマイナス情報ばかりが目に入った。

「通信で卒業できるのはほんの数パーセント」という情報をネットで見た。
また、「卒業できるとしても8年くらいかかる人が多い」という情報も見た。そしてそれは事実でもあった。

でも俺は4年で卒業できた。いや、卒業しようとしてした。

ならば、ネガティブな情報を見る時間をなくし、肝心の業界や商品内容、アクションプランについて考えてみた。

結果、保険のプロとして適切なコンサルティング業務は、持ち前の勤勉さと行動力でできると結論付けた。

今まで培った営業スタンスである、「本当に顧客にメリットがないものは提案しない。」「デメリットこそしっかり話す」
「既存知識にあぐらをかかない」などを実践していって、それで食えなかったり、研修途中で解雇になったりしたら仕方ないと割り切った。

問題は家族を食わせていくことへのリスクである。仕事が頓挫した場合に家族を路頭に迷わせるわけにはいかない。

そこは上記の組合からのお誘いが本当に心強い。組合局長に「結論は早めに出すので、保留しておいてほしい」と伝えると、「入りたがる人がたくさんいるから、お前がだめになってから募集しても欠員にはならないから、ぎりぎりまで席は空けておく」と言ってくださった。

ただ、2年後の逃げ道を持った気持ちで、人様に保険提案することがひっかかった。

だから、どうなるかわからないけれども、自分の気持ち的には、組合の約束がないくらいのつもりでやりぬくという覚悟を出来るか自己対峙した。これには数日要した。

すっかり気持ちを固めたこちらとは皮肉にも、試験を受けてから正式内定をいただくまでに時間を要した。

正式内定まで時間がかかった要因は、一言で言えば、俺の汚れまくった履歴書に対する本社人事部からのツッコミへの答弁に時間を要したということだ。年齢もアウトぎりぎりだ。

ツッコミされるたびに、俺は自分の、世間的には間違いなく汚れに見える履歴を堂々と虚飾なく話した。

試験を受けた後は、損保代理店研修生1つに絞ってしか転職活動をしていなかった俺は、内定までの時間にいらだちもした。

「値踏みするなら入ったらんわい」と、1時間ほどぐれそうにもなった。

そしてついに浮気もした。転職サイトのめぼしい求人に送って、2社の面接段取りを得た今日、内定が正式に来た。

浮気先には「遊びだったの、ごめん」と心を込めて謝るつもりだ。

今回の転職活動を通じて、凹んで、そして学んだことがある。

それは、不惑を目前にする年齢にもなって、転職を、そして社会をあまりにも甘くみていたことだ。

今まで仕事探しで苦労したことがなかった上に、お誘いもいただいていたので、安易に退職したが、
俺の年齢と履歴は一般公募では真っ先にはねられる対象になってもおかしくないものであるという事実を知った。

前職を退職したことは正解だと思っているが、家族の長として最低限、内定をもらってから退職すべきところを、安易に退職日を線引きした。わが嫁だから、ちくちく嫌味で済むものの、普通ならぷんぷん無視の刑に処されるべき事態だ。

今後はとにかく目先の壁に真剣対峙して突き進むつもりだ。そして、できることならもう退職や業種転換はしないつもりだ。

プライドはたくさん持っているが、家族を養うことに1番大きなプライドを持って善処していきたいと思う。

石が転がるには坂道を下に落ちていくのが物理的摂理だ。転がった先が保険の転職先だとしたら、何だか底辺にいる気もする。

だが、違うのだ。 下りきった後に、勢い余って登るくらいの加速をつけた日々を処してきた俺は、ここから坂道を逆ローリンしていくであろう。逆ローリンの速度は徐々に弱まるかもしれないが、ストーンと落ちる時は、どこか素敵なくぼみにでも落ちたらいいと思う。

くぼみはまだ見えないが、そこに立派に育った息子の姿を夢見ている。

転がった先にとりあえず辿りついた。ここでスピードを緩めずに登りたいと思う。

明後日は「ほうるもん」ライブ。浪人気分で当日を迎えなくてよかったと思っている。

新曲、「からから」をやる。転石は音をたてながら、次に向かうのだ。

ブログもまた頻繁に書こうという気にもなっている。

2 件のコメント:

Takabo さんのコメント...

まさか同業者になるとは夢にも思いませんでしたよ~(笑)
前向きなコメント、うちの社長かと思いました(汗爆)
お互いよい影響を与えられるようになれたら~、と思います。
明日のライヴ、楽しみです!

管理猿まえけん さんのコメント...

>Takabo殿

昨日はありがとうに。忙しい中、県内僻地より車を飛ばして来てくれて・・・(笑) 

いつもほんま感謝っす。

同業者なるとは、俺も夢にも思わなかった。てか、同業者なる契機の2日前に競合貴社保険入ってるしな~(笑)

前向いたふりをする後ろ向きですが、業界先輩、今後ともよろぴく!