2009年3月9日月曜日

謝罪検定②

ただ今から「謝罪検定試験」を始める。当試験は級別ではなく、TOEICのような得点式である。正答率が高ければ高いほど、政治家、理事職、教祖、組長への適応率が高いといえる。
ただし、市井においては不適応である。良い子のみなさんは真似をしないように注意されたし。

【問題1】
あなたは国会議員です。他議員の国民年金の未払いを追及していた矢先に、自らの未納が明らかになり、報道陣に囲まれ、追及されるはめになり、謝罪会見を開くこととなる。会見場での謝罪として、最も適切なものを次のア~エの中から1つ選びなさい。

ア: 申し訳なさそうに登場し、「何だか、加入期間に対する認識違いがあったみたいで、申し訳ない。未納期間は、私は学生でして、母上に一切を任していたものですから、未納であるとは認識していませんでした。重ね重ねお詫び申し上げます。」と言う。

イ: 体調悪そうな顔で登場し、「あの~何か?」と言った後に、「詳細につきましては、ただ今精査中としかコメントできないのですが、私の知らないところで不手際があったとするならば、大変申し訳ないと思っております。体調がすぐれませんので、今日はこれにて。」と言う。その後、「逃げるのですか?説明責任は?」と報道陣に聞かれ、 「私は自分を客観的に見れる。あなたとは違うんです。」と言う。

ウ: 頭を丸めて登場し、「支払ったと思っていたのですが、事務的な手続きミスがあり、皆様にご迷惑をおかけしました。政治家としての自分をもう一度見つめなおすために、四国巡礼の旅に出てきます。それでは。」と言う。

エ: 赤ら顔で登場し、「やっちまったな~~! 男はだまって、『未納!』 ちがうか~?『未納三兄弟』と言ってしまったが、俺もやった~、ばかばか!>Me! ちがうか~? 今日からは、『未納四兄弟』と呼んで~。ちがうか~?」と言う。

【解答と解説】

アについては、「認識違い」という言葉の使い方は正しいのだが、謝りすぎであるので不適切。犯した罪をいかに他人事にして逃げるかが、政治家に問われる資質である。また、「母上」は、「秘書」とすべきである。身内に火の粉が及ぶ事態を避けることも政治家必須の技量である。

イは完璧な謝罪であり、これが正解。とぼけから入って、調査を楯に先延ばしし、体調不良で同情を求めるあたりが美しい謝罪姿勢だ。それでも食い入る記者には、軽い慟哭と開き直りで威厳を見せている点も見逃せない。お手本である。翌日から入院をすれば完璧である。

ウは反省の演出は上級者だが、旅に出る必要はないので不適切。頭を丸めるのも懲罰の香りがして、黒い印象を長く抱かせることになるので不適切。

エは、自らの「未納三兄弟」発言をちゃかしてボケるところは素晴らしいのだが、お笑い芸人ではないので不適切。赤ら顔でこれをやると、馬鹿田大学卒のキャリアの香りがするのでふさわしくない。


【問題2】

あなたは、某任侠組織(武闘派)の組長である。組員の拳銃と麻薬の使用で責任を追及されている。法廷での罪状認否における謝罪として、最も適切なものを次のア~エの中から1つ選びなさい。

ア: 高級スーツで堂々と入廷。「組員の使用を知っていたんだろ?」の問いかけに、「てんご言うてもらったら困りまんがな!そんな物騒なもん持ってまっかいな! シャブかて、小麦粉かなんかの間違いちゃいまんの? まあ、たくさんのポリちゃんが出勤したみたいで、ご苦労でっしゃな! 夜道は物騒でっさかい、はよう帰してや! あんたも帰り道、気をつけなはれや。」と言う。

イ: ジャージ姿で節目がちに入廷。「チャカは最近知りませんのや! わしが止めても最近の若いもん
は悪いでっしゃろ? 言うこと聞きまへんのや。ほんませちがらい世の中ですわ。わしも引退しようか思ってた矢先に、堅気のみなはんすいません。」と言う。

ウ: 作務衣姿で深々とお辞儀しながら入廷。「司法関係の皆さん、並びに警察関係の方にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び致します。今後は若い者の教育体制を改め、侠道に恥じない行動を徹底させたいと思います。申し訳ありませんでした。

エ: アロハにダボパンで入廷。「は?? 何っでしゃろ? わしの耳遠~て、あんたの声聞こえやしまへんのや。は?? 拳銃? なんでっか? 饅頭か何かでっか? 知りまへん。は?シャブ? それなんでんの? 肉を湯の中くぐらすやつでっか? 知らんもん知ってる言われても、お~こわ。くわばらくわばら、あんたらヤクザみたいやな~。 は?『ごめんなさいって言え?』 今言うたがな! 」と言う。 


【解答と解説】

アが正解。謝罪の言葉を「ご苦労」で摩り替える技が上級者。とぼけから始まって、最後に軽く夜道の脅しをかける。身だしなみも平常どおりで、格の違いを感じさせるのがポイント。法廷を出た後に、裏取引で若い者を数人出頭させればアフターケアも万全。

イは情けなすぎて不適切。任侠にとって弱気と泣き言はご法度であり、両者共に破っている。引退する前に刺されるのがおちだ。危険な謝罪である。

ウは、謝りすぎ!堅気でもここまで謝らない。経済893であればまだ可であるが、武闘派には許されない謝罪である。それと衣装も良くない。僧侶か料理人に見える。扱う包丁は同じだが、武闘派は出刃オンリーで繊細ではない。弱みを見せている点で不適切。

エは、とぼけかたは優秀なのだが、ボケすぎ! 度を越したボケは、痴呆ぼけと間違えられるので不適切。人のセリフ引用で「ごめん」を出す辺りには、なかなかの技量を感じるだけに、余計惜しい。

献金絡みの説明会見がにぎやかである。今後も色んな形の謝罪が出てくるのだろう。また、機を見て、茶化していきたい。

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