2009年3月10日火曜日

高校入試初日

今日は、県立入試初日。塾業界で商う人間としては、大きな行事である。

わが県では2日間にわけて実施されるので、1日目を終えたキッズが集まり出し、明日の2科目(英・数)に向けての最終チェックをしだす。

俺は塾講師のプロだ。塾に通わせる親御さん心理として、プロに求めるのは、合否の結果だ。そのプロとしての成績という面では、今年も良い成績を残せそうな気がする。プロだから当たり前だ。対価を頂く以上、仕事きっちり、結果きっちりである。

例年、不合格になった保護者から、指導の途中過程を評価いただいて、贈り物を頂く。わざわざ、塾に不合格の報告に、菓子折り持って来て下さる。それはそれでありがたいのであるが、プロとしては、不合格になった時点で、数字、刻印的には失敗として判断して、ひたすら、お礼に謝罪で返すようにしている。

明日で全日程が終わり、合格発表は来週になる。

しょせん、塾講師なんかが出来る役割は黒子であり、個人的価値観を極力消して、親御さんの成績数値のご期待に沿うのが役割である。講師の人柄は滲み出るので、黒子であっても、それなりに影響を多少は与えるかもしれない。でも、それは結果的なものであり、いかに、個を消していくかが勝負である。

塾講師の一般的な性質を、俺ごときが裁くのもどうかと思うが、この仕事をして5年経ったが、だいたいの全体像は見えてきた。

生徒が合格したら、講師の手柄! 不合格になったら、生徒のせい・・・、にする奴(本質的に)が、非常に多い。というか、ほとんどであると思う。学校の先生に関しては、ほぼ100%であると思う。だが、学校は、成績以外の部分の指導も役割にあるのでそれはいい(実際は機能していないが・・・)。

確かに、勉強はあくまで本人がするものである。だが、対価をとって生業にしている以上、合格は生徒(お子様)の実力、不合格は講師の力不足! というのが前提であると思う。どんな言い訳も意味をなさない。モンスターペアレントであっても、進路指導力不足の事実は、黙って噛みしめるべき仕事である。なぜなら、学校以外の付加価値として、塾という存在があるからだ。

俺の教務力や学力が、他講師と比べて優れているか、劣っているとかでいえば、俺は劣っているとは思わないが、並みであると思う。

ただ、上記のような、結果を全て受け止める姿勢、プロ意識という点では、かなりの水準にあると思う。

そして、この俺のプロ意識が、結果的に塾に求められる結果を残すことが出来なかった保護者や生徒からの、高評価に繋がっているのだと思う。魂かけて、本気度出して接していたら、熱意は誰より汚れていない子供が感じてくれるのが、この業界の楽なところだ。

今までの俺に対する評価は嬉しいのだが、日々、本末転倒にならず、プロとしての矜持を保ってきたことに対しての誇りを俺は持っているので、根拠ある自信に裏付けられたものだと思っている。決して、過度な謙遜はしない。

以上は、塾講師でお金を頂くプロとしての意見。

だが、個人的な体験では、学歴社会の王道を進んできたわけでもないし、受験勉強に真摯に向き合ったわけでもない。親からもらった雫を狡猾に利用しながら、適当に処してきただけだ。俺は記憶力がある。だが、暗記力があるのは、俺の手柄ではない。親からの贈り物だ。俺はそれを粗末に扱って、適当に受験勉強を処してきた。大人になってから、一生懸命、思考することを覚えて、今に至っているだけだ。一言で言えば、なまくら、好きなようにやってきただけだ。

本質的な部分で、学業成績に必死になる親御さんの気持ちがわからない。ただただ、その気持ちが清いことはわかるのだが、清濁併せ呑むのが世の中を処す上で必要なことは、身に沁みてわかっているので、隙間の価値観をフォーカスして見せられる今の仕事は、なかなかに、なかなかだ。

ただ、キッズが、受験という、俺からみたらどうでもいいようなイベントに、真摯に向き合っている姿を見せてくれるのは、俺自身が背筋を伸ばすための教育になっている気はする。どっちが先達かわからないくらい、生徒から学ぶことが多い。

個人的な価値観では、勉強成績がどうのこうのより、当たり前に約束(学校の提出課題等)を守って、人として心ある人間であるかどうかが全てなのだが(結果的に、そういう子は受験に神経質にならず、その子に応じた適宜な進路を見つけている気がする)、とにかく、プロとしての一年間が、ほぼ終わる。ほっとしている。

話は変るが、今日は嫁の検診日だった。妊娠6ヶ月目に突入し、一般的には安定期とされているみたいだ(神様に感謝だ)。先生が3D映像、2D映像をビデオテープに録画してくださったみたいで、その映像を見たのだが、思いっきり、ポコチンが見えた。

先生は最初、ポコチン映像を隠そうとされたみたいなのだが、嫁は堂々と聞いたみたいだ。

わが子はジュニアである。標準的な発育より、かなり体も頭も大きいみたいだ。頭の骨格だけ父親遺伝確定である。たまらんの~~~。

わが子の生命を映像で見て、受験指導のプロである自分の矜持が揺らぎつつある。

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