2009年3月16日月曜日

フィジカル・グラフィティ

昨日は牡蠣三昧の日だった。炭焼き網で牡蠣を焼きまくり、殻が開いてきた牡蠣をそのまま何もつけずに、チュルッと食う。むちゃくちゃ美味しかった。

カキフライ、牡蠣ご飯なんかもあったのだが、やはり牡蠣の網焼きが1番新鮮で美味しかった。

牡蠣三昧なんていうと、高級なイメージで、和御膳として食すイメージを持っていたのだが、そんなイメージとは対極にあるワイルドさだった。

プレハブ小屋内に、炭焼きセットが常備されていて、そこで前掛けをして焼く。あちこちで、バチバチと火の粉が飛ぶ。牡蠣の爆発音が聞こえる。少し口を開けてきた牡蠣を軍手で掴み、専用の器具で殻をこじ開け、そのままチュルッと食すのである。貝殻内にある水分は全て牡蠣の汁と海水が混じったものであろう。磯の香り満タンである。

中にはテロリストみたいな牡蠣がいて、貝殻の口をしっかり開けているにも関わらず、食してみると冷たい奴がいた。レアもレア、そのくせしてしっかり貝殻は開けていやがる。もう少しで飲み込みそうになったが、寸止めで吐いた。あれを食っていたら、今頃牡蠣退治で殉職していただろう。

別団体の客もいたのだが、優雅なコース料理を期待していたのか、ワイルドな調理方法、まさか自分達で焼くとは思っていなかったのか、面食らっているように思える人がいて、面白かった。なにせ、畳、座布団もすすまみれであり、髪の毛にもふけのような灰が降り注いでいるのである。優雅とは程遠い。

牡蠣の1つ1つが、スーパーなんかで売っている大きさではなく、とにかくでかい!人の耳くらいの大きさがあるものもあった。それに貝殻の内側の綺麗なこと!感動した。拳くらいの大きさの貝殻から、たった一切れの牡蠣しか取れないことを考えると、牡蠣の流通価格は割安だと思った。あの貝殻から取り出す手間を考えたら、一般に流通している牡蠣は良心的な値段である。栄養もたっぷり。ますます牡蠣が好きになった。

野性味あふれる食文化を研究した後は、露天に浸かり、はしゃいだ。帰りの行程ではテトラポットを歩き回り、ヤドカリを探して海遊びをした。風が心地よかった。

大満喫で家に帰った瞬間、急激に悪寒がしだした。ほんと、家に入った瞬間だ。大急ぎで重ね着して布団にこもる。ぶるぶる震え、熱を計ると38度超え! ビールを飲みながら温かくするのだが、とにかく風邪っぽい。嫁に移したら大騒動なので、俺1人、自ら隔離状態に入った。

寒いしだるいが暇・・・。『左翼はどこへ行ったのか』宝島編集部(宝島SUGOI文庫)、『お父さんの石けん箱』田岡由伎(宝島SUGOI文庫)を読む。BGMに、キングクリムゾン「ポセイドンのめざめ」を聴く。

病中に読む本でもなければ、聴く音楽でもない。夢の中で、海底宮殿でポセイドンと珊瑚に囲まれて、牡蠣を殺した罪で糾弾される夢を見た。

「私は神だ。お前、牡蠣何匹殺めとるねん!」と糾弾されている最中に、俺は夢の中で、「モンスターエンジンの神々のコントみたいに結んでくれないかな~。」と呑気なことを考えていた。

糾弾が終わり、裁きと処刑タイムに入り、俺は何故かしらないが、海底に馬がいて、馬の後ろ蹴りを食らわされる刑へと処されることになった。そして刑が執行され、かなりのキックを受けている。

目が冷めると、クリムゾンの「ポセイドン~」がまだ鳴っていた。短い時間に密度の濃い夢を見たみたいだ。

今朝方起きると、これまた不愉快なくらい体がだるい。熱もしっかりとある。今まで風邪気味だと思っても、こじらす前に治っていたのだが、今回は仕方なしに10年ぶりくらいだろう、風邪で医者に行く。屈辱だ。

鼻に綿棒を突っ込まれ、インフルエンザの検査をされる。幸いにして無事だった。きっつい薬を処方されて帰って来た。

昼から仕事に行き、中1の授業だけ終えて帰ってきた。中3は明日が合格発表であり、前倒しで授業した分、今日の後半コマが空いていて、体調を考えるとラッキーだった。

今は、薬が効いているのか具合はいい。だが、何だかまだ体が、しゃんとしている気はしない。今日も早めに寝よう。

昨日から今日にかけてだけでなく、とにかく今年度も肉体的には精力的に動いた。何をするにも、体を張って、全身全霊で、酸いも甘いも嗅ぎ分けるだけでなく、噛みしめる!というのが俺の人生哲学だ。おかげで、実りある年輪をまた1つ増やせたと思っている。1年の締めに風邪をひこうが構わない。ますます鋭角に機敏に高感度で時間を刻んでいきたいと思った年度末、休日譚であった。

今、レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」が鳴っている。1年の肉体労働の締めくくり年度末に風邪をひいた俺が聴くには意味深なタイトルである。ちゃんと眠って体調リセットしよう。

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