2008年7月17日木曜日

加齢臭

くさい。実にくさい。毎日仕事から帰るころ、俺のシャツごしに上昇してくる香りは、刺激的だ。

半渇きの洗濯物の臭いに、納豆をトッピングしたような臭いがする。ある化学物質を加えると致死量の薬品が出来るのではないかと思わせる香りが体内から出ていることにびびる。

びびるとはいうものの、自分の臭いなので愛おしくもあるのだが・・・。

加齢臭という言葉が認知されてから久しい。正直、まだ加齢臭が具体的にどの臭いをさしているのかはわからない。

臭いは言葉や見た目で表現できないので、世間一般的にも、「この臭いじゃないかな?」と思っているだけで、各自が認識している臭いが、全員同じものであるかは定かではない。

俺が認識している加齢臭というのは、ポマードを塗りたくった背広おやじに多い臭いだ(説明になっていないが許せ)。奴らが近づいてくるだけでわかる。満員電車で嗅いだらトリップするだろう。

汗臭い臭いが加齢臭でないのは確かだ。だから、毎日の汗による体臭は気にしていなかったのだが、最近、昨日着ていたパジャマを次の日に着る時に、俺の頭で警報がなることがある。

俺が認知している加齢臭を少し希釈したような臭いがするときがある。危険だ。

別に若者に媚びたいわけではない。ただ、臭いの害を外部に撒き散らす立場にはなりたくない。

俺は自分の発する臭いの現状を率直に知りたくなった。

嫁に言った。「正直に話してくれ。俺の体を嗅いでくれ。そして率直に話してくれ。俺は臭いか?」 なんだか、ガン告知を望む人のセリフみたいだ。

嫁は言う。「何やらすんじゃ! でも臭い。」と

俺は聞き返す。「その臭さは加齢臭と認知されている臭さか? それとも汗臭さか?」

嫁は言う。「汗臭さだ。」と。

安心した。嫁の言葉に嘘はないだろう。汗臭さなら俺は平気だ。学生時代は、「犬みたいな臭いがする。」と複数の子から言われた俺だ。獣が持つ臭いならば俺は堂々と発する。

少しまだ心配な部分もあったので、俺は生徒に聞いた。

「わて、加齢臭しとるけ? 正直に言いおし! してたらジャスミンふりかけるから・・。」

中1のおませな女の子は言った。

「心配しられんな。大丈夫がいぜ。ただ、耳辺りが加齢臭の原因ってママが言ってたから、毎日ちゃんと洗われ~。 今大丈夫でも油断しられんな~。」

俺は言った。「はい。洗います。」

ひとまず安心だ。加齢臭の原因が耳辺りにあることも知った。こわくさいガキの忠告に素直に従おうと思った。油断はしない・・・。

加齢臭というのは、体の老廃物が体外に出尽くさずに、表面あたりで沈殿していることが原因じゃないか?というのが俺の分析だ。

ならば、俺のように汗かきで、新陳代謝の早い大人は、常に老廃物を洗い流しているので、沈殿することはないだろうと思う。
汗をかかなくなった時が危険だが、当面は体質が変わらない限り大丈夫だろう。

臭いについて真面目に考察した今日、汗かき具合は過去マックスであった。老廃物が流れ出て付着したパジャマ・・・、こまめに着替えようと思った。

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