2008年7月31日木曜日

積み重ね

イチロー選手が3000本安打を達成した。張本さんを超えるのも間違いないと思われるし、彼なら、本当に50歳くらいまで現役をして、決して破られることのない、成績を残してくれそうな気がする。

イチロー選手のコメントは、いつ聞いても感動する。実績が伴わない人が決して口に出来ることのない、高いレベルのコメントにはいつも敬服する。

例えば、「悲しいことに、3000本安打は、僕にとって過去のものとなってしまいましたが、積み重ねの大切さは感じた。」とか、「また新たな壁を僕自身が作り出し、僕自身がそれに苦しんで壊していかなければならない。」なんてセリフを吐いて、誰にも突っ込むことを許さないだけの説得力を持たせられるのは、イチロー選手ぐらいだと思う。

媚びることもなければ、傲慢でもない。残してきた実績に裏打ちされた冷静な自己分析と言葉選び、言語能力も相当高い人だと思う。

何がすごいって、怪我をしない。持って生まれた運動神経と柔軟な筋力があったにせよ、彼も人間である限り肉体的劣化はあるはずだ。それを最小に食い止めながら、円熟によるプラス要素だけをパフォーマンスに活かせるのは、日頃の修練の賜物だろう。

いつみても、あらゆる筋肉をほぐすストレッチをしているし、ルーティンワークの徹底度合も、凡人とは違うのであろう。毎日の練習メニュー、バッターバックスへの入り方、1日とて手を抜かない。野球に対しては神経質すぎるほどにメンテナンスを怠らない。

やはり、先のコメントにもあるように、積み重ねているのがわかる。どの分野でも彼を少しでも見習いたいものだ。

もう1つ、内藤選手の防衛戦も素晴らしかった。判定に持ち込まれたら負けていたであろう戦いを、きっちり2回KOで倒すあたりの集中力、精神力、技術力には、かなりの風格も感じた。おとぼけなコメントがかわいいので、一般的なファイターとしての威喝さは感じないが、イチロー選手と同じく、日々の積み重ねのすごさがにじみ出ていた。

すばらしき感動の後に、信じられない光景が・・・亀が出た!

あの、チャンピオンの表彰リングって、誰でも上がれるものなのだろうか? 亀君は、今や無所属の僕ちんやから、とてもじゃないが、リング上に上がれる資格はないような気がするのだが・・・。

世間の亀田バッシングとは、俺は意見を異にする部分が多く、亀田家の全ての言動を呪うかのようなバッシングには、疑問に感じる部分が多いが、内藤選手の表彰リングに上がるのは、どう見ても亀君が悪い。

いや、西成の亀パパ動物園で育った彼を止めてあげる奴がいないことが問題だと思う。あれだけリング周りには関係者がいて、そこに闖入した亀っ子一匹排除する奴がいなかったことが情けない。

あそこまで空気を読めない亀っ子もすごいが、KY行動に対するブーイングを音量を絞ることで庇おうとするテレビ局もすごい。もちろん負のすごさだけど・・・。

亀君に対しての大らかな対応、内藤選手の人柄の良さを際立たせるハプニングでもあったが、闖入者がいなくても、十分称えられる王者だったと思う。

バッシングされている亀田家ではあるが、彼らなりに積み重ねてきた修練もあるだろう。イチロー選手、内藤選手と同様、積み重ねのすばらしさは亀田家にもある。

ただ、何でも積み重ねればよいというものではない。山林の動物がルーティンワークをこなすのとはわけが違う。社会内でのルールは、個人の積み重ねを外包する。 逸脱した行為があれば、干されて当然である。

だから、亀田家を叩くのではなくて、彼らが露出する機会を無くしてあげることが、真の大人のとるべき態度だと思う。

そして、亀田家が社会的ルールとマナーを守れるようになった暁には、ボクシングルールにのっとり、接してあげればよい。再び注目を集めるか、そのまま消えるかは、彼らの積み重ね次第だ。

色んな積み重ねがあるが、亀田家のような大衆的悪者がバッシングされるのを見て、胸がせいせいするような、安っぽいギャラリーとしての積み重ねをくり返す凡人にはなりたくないと思う。こういう面では俺も非凡なものがあると思う。

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