2008年4月6日日曜日

魚に思いをはせてみる

昨日は以前勤めていた会社の社長から恒例のお食事会にお誘いいただき、ごちそうになる。月に一回のペースでご馳走になっているが、毎回色んなメニューを考えてくださって、おかげで町の美味しい店をたくさん知ることが出来る。

いつも、今度は自腹で嫁を連れて行ってあげようとは思うのだが、なかなか俺の稼ぎで行くには難しい所ばかりで、行きたい店リストがたまる一方だ。

昨日行った店は、見た目は地味な居酒屋なのだが、メニューの品揃えが素晴らしい。そんなに流行っている店ではなかったのだが、よくもまあこんだけたくさんメニューあるなと思う品揃え。しかも鮮魚のメニューが多いので在庫管理が大変だろうと思って聞いてみたら、近場にもう1件居酒屋(結構有名なところ)を経営されていて、回しあっているみたいだ。

昨日食べたものだが、メインは「白魚の踊り食い」なるメニューだ。小さな鉢に白魚が数匹入って出てきて、それを金魚すくいみたいに網で取り、酢の強めの汁につけて食うというものだ。本当は噛まずに飲み込むと食感が楽しめるらしいのだが、俺は口に含んだ瞬間、白魚君が暴れだしたので、びっくりして即噛み。

「殺めてしまった!!」という意識がわいて、食感を楽しむどころではなかったが、全く癖もなく、変り種としては1度食してみてよかったと思う。何でも今の時季を逃すと大きくなってしまってだめらしい。

他にもたくさん食べた。「カエル」、「刺身盛り合わせ」、「みょうがの田楽」、「烏賊の石焼き」、「プチカレーパン」、「ホタルイカのしゃぶしゃぶ」、「ガメ海老塩焼き」、「鰺の塩焼き」、「サトイモの揚げ物」、「カキフライ」・・・。

カエルを食したのは2回目だったが、やはりだめだ。平泳ぎの体勢でこんがり上げられて出てきたのだが、正直遠慮したかった。しかし、「これ食ったら足が速くなる。跳力つくから」というよくわからないお勧めで食す。初めて食べた時よりは衝撃は少なかったが、鶏肉みたいに美味しいという一般的な感想はやはりもてなかった。

この店は常時、「すっぽん」も置いてあり、普通の居酒屋の佇まいからは想像できない品揃えだ。普通のメニューもしっかりしていて、魚が美味かった。また是非行きたい。

それにしてもだ、白魚の立場にたって考えてみると「踊り食い」なるものは、たまらないだろう。

ある日すいすい泳いでいたら、小さな器に入れられ、少し世界が小さくなる。そして空中に浮遊する感じがしたかと思うと、幾人もの人間の視線を頭上に感じる。

次には網みたいなものがあてがわれ、水から出される。精一杯あがいたものの、ついに持ち上げられる。息苦しくてたまらない。「許して~」と思うのも一瞬、目の前に人間の口が現れ、いきなりその中に放り込まれる。落ちた先には色んな食べ物の残骸があって、その中には、自分より先に誘われた同僚が果てている。常に頭上にアルコールが流し込まれる。朦朧とする意識の中、頭の上から次なる同僚が送り込まれてくる。アウシュビッツだ。

中には俺のような奴に食される仕打ちの白魚がいる。口の中に放り込まれた瞬間に、ガブ~~!! 体を割かれるのだ。割かれる前に唇で軽く締め技をかけられ、のたうちまわってガブ~~!!だ。

色んなお隠れの仕方があるが、一瞬に息絶える点では楽かもしれないが、こんな仕打ちもある。しゃぶしゃぶの刑だ。

持ち上げられて、息苦しいと思った瞬間、箸でプレスされ、熱湯の中にぶち込まれる。入った瞬間、体がちりめんじゃこ状態に白くなる。「俺達は、透明度が売りだったんだぜ~~~~!」 息絶える・・。

俺はベジタリアンではない。人間の都合かもしれないが、魚も獣も食す習慣にあるものは、遠慮などぜずに、がんがん食べる。でも少し魚の気持ちになった夜であった。

魚の立場なら、どの殺められかたが1番楽なのだろう?

呼吸困難、火あぶり、熱湯責め、刃物、プレス・・・、色んなやられ方がある。
一見、呼吸困難以外は全て残酷な気もするが、息絶えるまでの時間が短いほど、奴らにとっても楽なのではなかろうか?そうすると、1番多い、水揚げされての呼吸困難の刑が1番残酷な気もする。

人間でも肺がんなどで呼吸困難になる死に方が1番苦しそうである。それを考えると踊り食いなるものは、まだましなのかもしれない。

魚の運命は可愛そうだ。食物連鎖の配置による宿命とはいえ、人間に捕獲される海域で泳いでいたために、または、人間の味覚にとって美味しい身を持って生まれてしまったために・・・。海底深く生活するカラフルな同属は、人間に捕まえられてもすぐに快適な環境におかれ、スイミーを毎日たらふく与えてくれるというのに・・・。

心なしか、鰺の目つきが哀れに感じた。それでも食うのだ。葉っぱだけ食って嗜好を満たせるほど俺は高尚ではない。

魚の運命に思いをはせながらの、美味しい夕べであった。魚君にはかわいそうだが、彼らの無念を自らの身に変えて、食物連鎖のわっかにしっかり参加しよう。

2 件のコメント:

オオタ(アルカリムッシュ) さんのコメント...

>アウシュビッツだ。
めちゃブラックやなあ。
ドイツビールならなお更か、とか思って笑ってもうた。

管理猿まえけん さんのコメント...

>オオタ氏

昔、明君がドイツ人の女の友達をライブに連れてきたんやけど、初対面で「ハイル、ヒットラー!」って言ったら、かなりひかれた・・・。そらあかんわな。
ブラックの加減は難しいねんけど、魚相手やから今回は入れました(笑)