2008年4月12日土曜日

My White Blues

最近、鼻毛に白毛が目立つ。5本抜いたら1本くらい混じっている。それもシルバー系で太い毛が白くなっていることが多い。
気付いたのは、数ヶ月前だ。車の運転中に鼻毛チェックをした時に、キラリと閃光を見たような気がした。

「なんじゃ!今のは?」慌てた俺は鼻をフッと吹いた。そしたらバカボンパパの位置に登場しやがった、見事な白・・・。かなり興奮し、運転しながら抜けるまで爪を併せてトライ! 抜こうとすると隠れやがり、再び鼻をフッ! 

数回の格闘の後に出てきた鼻毛が、あまりに白くて太くてたくましかったので、俺はそいつを大切にティッシュにくるみ、ことあるごとに広げては鑑賞した。

それからは、鼻の毛色をチェックするのが習慣になり現在に至っている。

俺は白髪が全くない。人間の頭髪の老化形は2通りある。去っていくタイプと、頭上で白く化けるタイプだ。こればかりは選べないが、俺はどう考えても前者だ。

去っていくタイプは、白く化けるタイプと比べて精神的苦しみがでかいのか、頭上の装飾屋が儲かっている昨今だが、俺自身は去っていかれることに不安はない。円熟の結果を頭から示してくれるのは、なんだかかっこよくもある。

多くの仲間が去っていった後に残った生命力の強い毛たちに、油をそそぎ、大地に踏ん張る彼らに櫛の攻撃をしたりするからよくないのであって、バーコードなる渾名で冷やかされるのだ。堂々としていればよい。

とはいったものの、白く化けた高齢者の方が、なんだか知的でエレガントに見えるのは確かだ。スキンヘッドはパンクの香り、白髪は紳士の香り、中途半端に残ったバーコードはおやじの香り・・・。何だか白髪で晩年を迎える人の方が一般的には迫害に遭いにくい気がする。

生まれた赤子の毛は色素がない。それに量もない。そのままみんなが大きくなれば良いものを、毛量が増え、その後、色素が落ちるものから、根っこからなぎ倒されるものにわかれる過程・・。神様の創造メカニズムは悪戯だ。

どうでも良いことなのだが、びしっと白く染まった高齢者の頭髪は、確かにかっこいい。去り行くものよりも確実にかっこよい。頭の毛が風と共に去っても、緋色の恋は生まれない。何だか不公平だ。

確実に禿げるタイプの俺は、白髪おやじをかっこよくは思う。

白髪がかっこよいとは言ったものの、それは頭にあるからであって、鼻毛はちょっと美的感覚で同じ尺度には出来ない。かっこよくはない。バカボンのパパの鼻毛がもし白く染まっていたら、バカ田大学には入れなかったであろう。色素のない鼻毛はバカにもなれないような気がするのだ。

ところが俺には定期的に生えてきやがる。そのうち総白色の鼻毛になろうものならば、俺は鼻毛を全部剃毛し、この世の埃を全て直で吸い込んでやろうかとも思っている。

今日は、さらにショックなことがあった。俺の脇に一本の白毛、そして陰部周辺の御毛様に白いものを発見したのだ。見つけた瞬間に毛根から抜く勢いで引っ張ったが、嫌な予感である。

白くなるならなるで、なぜ頭に来ない? 黄門様のように眉毛でも良い。

なんで、鼻やら脇やら陰なのだ。恥らっているのか? 乙女ならいざ知らず、お前を育んでいる主は、30代後半のオヤジだぞ! 金輪際生えてくれるな。

ビートルズのホワイトアルバムを聴いている。

白毛と対峙している。ブラックバードが俺の頭の毛をむしる。

一方、頭髪以外に目を向けると、マザーネイチャーズサンの元に訪れる不公平なレボリューションはカラーがないんだ。ディア・プルーデンス・・・。

鼻毛は黒くあるもの(エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー)。アイム・ソー・タイアド。 

グッド・ナイト

0 件のコメント: