2008年4月24日木曜日

バイト履歴②

昨日のブログの続きだ。

高1の春に新聞配達でお金を稼ぎ、レコードを買う喜びを知った俺は、その後もバイトをする機会をうかがっていた。しかし、野球部の猛練習に明け暮れて、なかなか時間を見出せないでいた。

朝練から夜20時くらいまで練習があったのだが、幸いにして寒くなる季節からは、ボールを持った練習はなくなり、筋トレ中心の練習になった。平日は19時くらいまでで、休みの日には試合の遠征がなくなった分、ある程度の時間を確保できるようになった。

冬休みの部活日程が発表された11月末から、俺は土日と冬休みのバイトがないかを探した。チャリで近隣を走り回りながら、求人の張り紙を探した。冬休みの部活は午前中の20キロランニングと筋トレのみ! バイトのチャンス到来だ。

「フレンドリー」というファミレスに求人募集の張り紙を見つけ、即効応募、即採用となった。12月の土日の夕方から22時まで、冬休みの夕方から22時まで、俺はひたすら働いた。

コップは飲み口を軽くこすって洗浄機へ、皿はごしごしこすって洗浄機へ、グリル系の皿は銀色ブラシでこすって洗浄機へ、俺はひたすらウオッシャーと化して、狂ったように洗いまくった。

狂い方を認めてもらえたのか、4日目にはデザートを作ったり、店内の片付けをしたり、掃除部門に回してくれた。デザートを作るのは楽しかった。盛り付けミスしたふりして、アイスをたくさん食べた。ゼリーの仕込みは俺が食べる分を加味して少し多めに作った。

年明け以降も続けたかったのだが、部活がみっちり入りだして断念。バイト代は4万円弱だった。俺は篠塚モデルのグローブと、レコードを買った。レコードはツェッペリン「Ⅱ」だ。ますますレコードを買いたくなった。

1年後の高2の冬休み、俺は親友を誘ってバイト探しに出かけた。張り紙を見つけると飛び込んで聞いたが、高校生はあかんやら、もう決まった、やらで途方にくれた帰り道、張り紙もない会社に飛び込んだ。

肉卸問屋の会社だった。いきなりの闖入者にびっくりされていたが、社長は俺たちの円らな瞳に魅了され、即決採用を決めてくれた。しかも時給800円だ。当時の高校生時給の800円がどれほど魅力的だったか・・・。

仕事はきつかった。あほみたいに重い肉の塊を積み下ろしするのだが、つらくてつらくてたまらなかった。1番ひどかったのは、冷凍庫内でのシール張り作業だ。ジャンパー1枚で冷凍庫に1時間こもるのだが、寒くてたまらない。おまけに、冷凍庫の扉は内側から閉めると開けられないようになっていた。時々、社員のいたずらで閉じ込められたのだが、冗談きつい。生ける肉となって固まるのはごめんだ。

この時のバイト代は、カセットテープの大量購入と、ヘビメタグッズと、居酒屋で飲み代に費やした。当時、居酒屋で話すことが俺たちで流行っていて、数件、だまって見逃してくれる居酒屋によく行った。数年後摘発されて閉店していたが・・・。

レコードは1枚買った。元レインボーのヴォーカル、ジョー・リン・ターナーのソロアルバムだ。買った後に発売されたヘビメタ雑誌「バーン」では、48点を付けられていて、酷評されていた。俺は自分を否定されている気がして、評者の酒井K氏に敵意を持った。後に友人に売った。

高3の夏休み、野球部引退後、俺は赤字バイトをするはめになる。当時、ディスコに入り浸っていたヤンキッシュな同級生から紹介されたバイトだ。

「1つ売ると2万円もらえる。」・・・、単純な俺はこの言葉だけに即反応し、夏休みのある暑い日、芦屋の高級住宅地に電車で向かった。交通費は自腹だ。1日10個売る気でいたので、帰りはタクシーを予定していた。

売り物は??? 表札だった。「売れるかい!」

芦屋の高級住宅地を1件1件訪問し、7万円の表札を売りつけるのだ。世の中に胡散臭い仕事は数あれど、ナンバーワンだ、無敵だ。意外だが、高級住宅地の人はピンポン押すとすぐにドアを開けてくれた。必死の形相の高校生を見て、「どうしたの?」と軽く話を聞いてくれた。哀れな小僧に対して優しく購入の意志がないことを伝えてくれた。
「うちね~、表札は1個でいいと思ってるねん。どっか表札ない家あたってみ~。」

悲しいことに芦屋の町の家には、どこにもしっかりと立派な表札があった。フルネーム仕様の表札も多かった。売れるわけがない。

今でもあるバイトなんだろうか? おそらく中間搾取しまくりのヤンキーコミュニティー内での仕事であり、俺はそのピラミッドの底辺の体験入隊をしただけなのだろう。

あほらしくなって、俺は数件回ってやめた。家路についた。帰りに受験問題集を買い、翌日から受験勉強に取り組みだした。なんだかえげつなくむなしくて、いらだつエネルギーを勉強に向けた。-1500円のバイトだった。

大学入学が決まった後、俺は土方バイトをすることになる。上記の肉屋で働いた親友と約1ヶ月の肉体労働だ。これまた思い出深い。明日のブログにて振り返りたい。

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