2008年4月3日木曜日

ネットスラング考

未だに俺はメール等でのやり取りには、(笑)や、(爆)というのを多用しているが、凄いペースでこの表記をする人が減っている。何だか取り残されて死語を連発しているおやじみたいで嫌な気がする。

とはいったものの、(笑)という表記が俺は好きだ。昔から音楽雑誌のミュージシャンのインタビューなんかで多用されていた時代から好きだ。インタビュー中に本当に笑いが起こったところを誌上再現するための表記だが、臨場感を伝える効果は絶大であるように思う。

そんな(笑)を、文章の哀愁とグーギャを強調する局面で使い始めたのは誰だろうか?説明不要でニュアンスがよく伝わる、いかしたサブ言語だと思う。( )がついているとはいえ、中身にはしっかり漢字が使われているので、サブ言語というのは失礼なくらいで、しっかりとした修辞的表記だと思う。

「笑」という漢字を見ると、これは象形文字に思えて仕方がない。どう考えても字自体が笑っている。このニュアンスを音的、絵的に味わえる漢字が好きだ。
「姦」やら、「淫」なんて漢字は、見るからに性的倒錯のニュアンスを感じるし、「轟」なんかは爆音を感じる。「暴」はいかにもジャイアン的ニュアンスを感じるし、「虎」はいかにも強そうだ。漢字は見た目もいいし、発音するとその漢字が内包する世界に誘ってくれる。偉大な表記だ。

(爆)にいたっては、そこに自虐性もあり、使い方に秀でた人の文章に使われると、何ともいえないおかしみを感じる。古典にはなかった言語の味わい方に貢献しているナイス表記だと思う。

最近は見かけなくなった(笑)、(爆)に代わり、よくよく見かける表記がある。

「orz」、「ww」、「kwsk」、「キボンヌ」、「gkbr」・・・・。

誰が最初に使い出したのかは知らないが、「キター」という2ちゃんねる言語と同様、ニュアンスは伝わるが、個人的にはあまり使いたくない表記だ。意味は自分なりに、使われる文節を参考に理解しているつもりなのだが、合っているかどうかはわからなかったし、調べようとも思わなかった。

表記から伝わるニュアンスとしては、漢字と同様、なかなかセンスがある気はする。教わらなくても意味を体感出来る面では、これらも漢字と同じ扱いにしてあげないといけないのだが、どうもアルファベットは無機質でよくない。顔文字の雰囲気を感じるから好きでないのかもしれないし、単についていけていないだけかもしれないが・・・。

「orz」なる表記を見ると、「オ~マイ、ガ~!!」といったニュアンスを感じるし、「ww」は、いかにも笑っている気はする。しかし、「kwsk」やら、「gkbr」なんて表記には、何の深みも感じないし、想像力も鼓舞されない。「キボンヌ」にいたっては、何だか鬱陶しい。

「orz」にしても、「ww」にしても、一応肯定はしてみるものの、文節を離れ、単独で表記を見た場合、そこには単なるアルファベットの配列以外の何かは感じない。漢字のような、単品でも想像力をかき立てられるものは、少なくとも俺は感じない。
だから使わない。

俺は使わないというだけで、何もネットスラング自体を否定しているわけではないが、どう考えても短命で、次々に生まれては消えていく運命にありそうで、その点、漢字の生命力の強さのほうに惹かれるだけだ。

今日ヤフー画面でちょこちょこ見ていたら、これらのネットスラングの解説がなされていた。表記が表す意味が書いてあり、ほとんど俺が想像した通りの意味だった。結局、俺にこれらの表記を見せてくださる知り合いの方々の使用は、本来の文章レベルが高いからネットスラングのニュアンスを伝えてくださるのであって、これを日本語未熟なガキ共が使っているのを見て体感したわけではない。だから、俺はニュアンスをほぼ理解できていたのであろう。

やはり何でもだが、使いこなし方次第だ。俺の知り合いの方々が使うネットスラングは、贔屓目ではなく、やはり適切で、センスあふれると思う。捨てたものではないとも思わせてくれる。

それにしても、「キボンヌ」は、「~を待つ、乞う」みたいなニュアンスだと思っていたが、「希望します」らしい。だいたいのニュアンスは同じだったが、対訳は違う気がする。「希望します」なんて格式はない気がする。なんか好きになれない表記だ。

「おk」が「OK」なんてスラングは、愚の極みだ。変換ミス以外の何ものでもなく、面白くもなんともない。

「gkbr」は、なんだかうめき声を上げているニュアンスを感じていたのだが、「ガクガクぶるぶる」の略らしい。擬音語擬態語のこの略し方はいただけない気がする。

とはいったものの、これらの言語を生み出す感性はすばらしいと思う。後は使いこなす人が、母語をしっかり体得した上でスラングにふれるかだけで、ネットスラングが生命力を持ってくるかが決まるのだろう。短命ゆえの悲しさか、生命力を育まれる前に消える運命にはあるのだろうが・・・(orz)

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