2008年7月11日金曜日

ファミレスに行かない理由

今日の出勤途上、某ファミレスの新装開店現場を見た。平日昼間であるにも関わらず、多くの人でにぎわっていた。

俺はファミレスというものを滅多に利用しない。どれくらい利用しないかというと、今まで生きてきたなかで数えられるくらいだ。数えられるから数えてみた。関西にいた時に4回、富山に移住してから11回しか行っていない。生涯15回のファミレス体験だ。記憶から抜けているものがあるかもしれないが、絶対に20回未満だ。

なかなか稀有だと思う。別に避けているわけでもなければ嫌いでもない。ただ、個人的需要がないだけだ。

多くの人にとってファミレスは、非常に便利なものであると思う。これだけ、全国各地にファミレスを見かけるのだから、市場規模からいっても相当の需要があるのだろう。

だが行かない。なぜだろうかと考えてみた。

18歳以降の俺にとって夜の食事は、酒を飲むための肴を食すという認識になっている。米自体も夜はあまり食べないし、一般的な御膳形式のご飯なら、家で食べるほうが美味しいし落ち着く。

もちろんファミレスにも単品メニューはある。しかし、パスタならイタめし屋、うどんならうどん屋、カレーならカレー屋の名店がそれぞれあるから、そこで食べればよい。ファミレスに単品メニューを目的に食べに行こうという発想にならない。

同じように、デザートなら専門の名店が今ではたくさんあるからファミレスを目的地にしない。

ドリンクバーで長居するための場としてのファミレスの使用、これはまだ俺の中ではわからないでもない関わり方なのだが、ソフトドリンクを何倍も飲みたい衝動よりもビールを何倍も飲みたい衝動が勝る俺にとって、アルコールの飲み放題プランがファミレスにない限り、ファミレスヘビーユーザーになることは現実味を帯びない。

このような理由でファミレスに行かないのだが、多くの方がファミレスを選ぶ動機はなんだろうかと少し気になった。

家族連れが、子供の要望に配慮してファミレスを利用する気持ちはわかるのだが、それ以外は正直わからない。

コーヒーを飲みたい、和食を食べたい、洋食を食べたい、仲間と長居して語りたい、彼女とのデートの待ち合わせに使いたい、といったそれぞれの要望を満たす名店が減って、ファミレスは店選びに困ったときの駆け込み寺みたいになっている側面があるような気がする。

種々の利用目的がある外食との関わり方、その目的ごとに、自分なりの贔屓にする名店を持っていたいと思う。

好きな音楽のかかる喫茶店、内装が趣味にあう料理屋、頑固一徹おやじのいるラーメン屋、コーヒーの飲めるギャラリー、肴のセンスがよい飲み屋、集う客の会話水準が高い飲み屋、ご主人の趣味が程よくにじみ出た名店が、都会には多くある。都会に行くたびに、1つ1つの店がかもし出す心意気に打たれ、そこに文化を見出してきた。

都会は電車と歩行の文化なので、自分にとっての名店を多く持てる可能性が高い。歩行速度は路地裏への視点を維持できる。ところが、車社会の地方都市では、駐車場が大きいというメリットが名店を探す気持ちを上回ってしまう。車窓からの景色には写らない路地裏の名店があるかもしれないが、ついつい歩いて探す努力を放棄してしまう。

地方都市にも路地裏の名店はある。しかし、車社会の生活事情に、オーナーの文化的志が負けてしまい、多くの店は暖簾をしまう結果となる。悪循環だ。

都会と地方の生活環境の差は、昨今ではほとんどなくなってきていると思う。全国チェーン店の普及度でいえば、むしろ地方都市の方が充実していると思う。

大手チェーン店、フランチャイズ店による生活環境の均一化が、皮肉なことに、都市と地方の文化的格差をさらに広げる手助けをしている気がする。

車の速度は、身近な観察眼を鈍らせる。車社会に適した店環境がファミレスとマッチした。
文明社会は従来の文化を殺す。失われた文化のよい部分を継承することなく生まれる新しい文化に、俺は生涯馴染めそうにない。そんな理由でファミレスに行かないのだと思う。

路地裏の名店が繁盛する素地と文化がこの町に欲しい。俺も探す努力を惜しまずに、微力ながらそこに金を落としたい。

2 件のコメント:

カラス さんのコメント...

日曜日 観戦しに行こうオモとるがいけどチケットノルマとかあるがやったらこうけどどうなが ほうるもんで検索したらたどり着いたわ

管理猿まえけん さんのコメント...

>カラス氏
うお~~~~~~! おちゃめでダウナーなカラスさんじゃないですか!!! 感謝です。

ノルマは残念ながらありまして、前売1000円になっております、が、秘密の相談・・・・・(額未定) 一緒に打ち上げも行きますか? カラスさん好き(笑)