2009年1月6日火曜日

定額給付金

職場の前に県立高校がある。広大な運動場を持った敷地面積の広い学校だ。でも校舎は外観を見る限り、かなり古くさい。コンクリートは風雨にさらされて汚れ放題。外観の塗料も汚れが付着して、キレイな橙色であったろうに、今じゃ汚い茶色に見える。

俺はこの高校を創立7,80年の伝統校だと思っていた。歴史の積み重ねが校舎の汚れ具合の根拠だと思っていた。ところが、創立24、5年だという。

俺が通った高校は、俺が高1になる時に創立された。俺は1期生として、ピカピカの校舎で学んだ。計算すると今年で創立24年目に突入することになる。

つまり、職場前の高校は、俺の通っていた高校とほぼ同じ時期に創立されたわけだ。

なんてことないこの事実だが、目の前の高校を母校に重ねて見ると、何だか隔世の感というか、創立1,2,3年から一気に創立24年にタイムスリップしたような感覚になった。間にある20年間がぽっかりぬけた感じがある。20年間は自ら高校生活をしていないので実際に抜けているのだが、20年という長い年月の実感が、高校の校舎と重ねて見た時に、わかなかった。

俺の中での母校は1期生のイメージのままなので、今でもきれいな校舎のイメージしかないのだが、職場前の高校と同様、もうずいぶん汚れてきているのかもしれない。今度帰省した際に見てみたいと思う。

色んな公的施設があるが、学校というのは、最も劣化しやすい施設ではないだろうかと思う。学び舎として、ほぼ365日使用される。マナーの良い子どもばかりではない。マナーを学ぶ途上の子どもが多く集う場所だ。

廊下は走り回るもの、窓は割るもの、壁は落書きするもの、トイレはタバコを吸う所、これらが学び舎に寄生する昭和の不良のモットーだ。いくら、全員が掃除を義務付けられた集団とはいえ、勤勉な生徒30人の働きは、1人の不良生徒の悪事によって帳消しされる。校舎劣化がすすむはずだ。

昨年には、屋上の床が抜けて生徒が落下死するという事件もあった。また、耐震強度、アスベスト除去の問題にしても、改修が進んだとはいえ、未だファジーな部分が多いと思う。

「ゆとり教育」の弊害から脱するために、学習カリキュラムの改訂がなされ、昭和の時代までとは言わないまでも、今よりは内容が濃くなるようだ。ソフト面の改良はなされるわけだ。ならば、いっそのこと、ここらでハード面の大改修にも取りかかったらどうかと思う。

予算はどうする?という声もあるだろうが、ぴったりの予算枠がある。「定額給付金」を使うのだ。1つの公立学校に対して、例えば、小・中:8000万円、高校:1億円換算で予算をつけてあげ、その予算総額を市町村レベルで、老朽化に応じて配分すればよい。外壁工事、耐震工事など種々の工事がいくらくらいするのか知らないが、1億円あればかなりの補修が出来ると思う。工事費が余れば、各種学習器具の導入に使ってもらえばいい。

「定額給付金」に関しては、断固反対だ。国民1人に12000円かいくらかしらないが、たかだかこの程度の金額をばら撒かれても、お年玉にもなりやしない。1人1人にとっての実感は、たいしてありがたくもない。それに対して、総予算はハウマッチ???? 有権者への機嫌取りで捻出する金額ではない。

著名なエコノミストは、「定額給付金がばらまかれても、多くは貯金されるだけで、景気対策の起爆剤とはならない。」と言っているが、俺は、貯金にもならず、景気対策の起爆剤にもならないと思う。外食産業やゲーム関係、家電関係が一時的に繁盛するだけだと思う。

こういった莫大な金をばらまくことを決めた人たちは、連判でもいいから書面を公開して、その結果が総括された時に、責任を問えるシステムを作ってから施行すべきだと思う。もちろん個人で負えない責任規模であるが、不問はありえないと思う。
そうすれば、「定額給付金」のような歴史的汚点政策は、議題にも上らなければ、施行もされるはずがない。

出すだけ出して、効果がなくても、何ら責任を問われないという体制だからこそできるばら撒きだと思う。昔、「地域振興券」だったか、プチばら撒きがあったが、あれって効果があったかの議論自体も、幅広く公表されたわけではない。されていても、国民の限りなく全員に認知されていなければ、公表したとは言わないと思う。

それにだ、「定額給付金」経済的な成果があったかなかったかの尺度自体が曖昧で、成果の出しにくいものだと思う。成果があったと主張する側が用意する統計と、成果がなかったと主張する側が用意する統計で、大きく評価はわかれてくる。統計マジックを見せられるだけだ。

成果自体のジャッジが曖昧で見えにくいものに多額の金をばら撒くのであれば、大多数が、「良いことにお金を使った」と納得しやすいものにお金を使う方が賢明だと思う。

子供がいる、いない関係なく、学び舎に対する資金投入を不快に感ずる人は少数だと思う。
未来の人材育成の場という大義名分もあるし、心情的な面でも意味のあるお金の使い方だと思う。

学校設備工事にお金が使われるのであれば、工事関係者の受注機会が増える。昔から景気対策として、使われてきたゼネコンへのカンフル剤注射と性質は似ていると思う。政治家にとっても悪い話ではないだろう。

1人:12000円は小額だが、これを束にして未来への投資に回すのだ。夢のある投資だと思うし、実際問題としても、老朽化が目立つ学び舎環境を考えると必要な資金だと思う。

個人の立案を述べてみたところで、「定額給付金」は施行されるだろう。歴史的汚点のカウントダウンはもう始まっている。でも納得がいかない。

俺は自民党、民主党、公明党、いずれかを全面支持する気はない。「定額給付金」の是非においては民主党と意見が似ているだけだ。

「定額給付金」に関しては、所得制限を設けるかどうかの是非ばかりが議論されているが、そんなレベルの話ではない。「定額給付金」自体が、無駄遣い以外の何物でもないという大前提が存在する話だ。

景気対策は構造的な問題に視点を置くべきだ。臨時収入で景気へのカンフル剤となるならば、過去の不景気は歴史的な事象とならないはずだ。

構造的な赤字を垂れ流している家計に12000円が入ったところで、それはギャンブルなどによる臨時収入レベルの話である。ひと月微々たるレベルで潤って、それでまた通常赤字体制に戻るだけの話だ。

全国の首長の中に、「学校設備改修費として使います。明細も逐一報告します。だから、定額給付金を寄付してください。」と公的に募る案を出す人はいないだろうか?かなりの金額が一時的な浪費銭とならずに、集まると思うのだが・・・。

「定額給付金」の話が本気で実現寸前まで進むとは思っていなかった。あまりに幼稚な政策なので、優秀なシンク・タンクが最初は苦笑して傍観しているにせよ、時期が来たら止めるものだと思っていた。だが認識が甘かった。

優秀なシンク・タンク、官僚、政治家を育んだ学び舎が悪いということにして、その環境整備工事が施工されることを願う。変な政策は施行されなくてよい。

2 件のコメント:

ラリー さんのコメント...

ちょっと前にホリエモンがブログで定額給付金について、バカな政治家に自分達の払った税金の使い道を勝手に決められる。だからここはみんなでアンチテーゼとしてみんなの定額給付金を集めて基金を作って、お金の使い道をみんなで決めよう!的な提案をしてました。なかなか賢いな〜と思ってたけど、よくよく考えるとコレって「ライブドア証券」とかファンドの考え方と同じじゃね〜か!と彼らしいなーと思いました。

学校の耐震補強工事とかに使えば良いのにね。教育(=教育施設etc.)にお金かけるの大賛成。

管理猿まえけん さんのコメント...

>ラリーさん
ホリエモンの提案、興味深いですね。アイデアの根源は僕も一緒なんですが、やはり彼は錬金術に長けています(笑)でも、ホリエモンはロッキンですね。成金ロック肯定です(笑)

「24」制覇してしまって今、もぬけの殻です(笑) BOX買ってから吹き替えを楽しもうかと思っています。それまでは他のアメリカテレビドラマには浮気しません。