2008年4月22日火曜日

気になる言葉

①「授業態度」

 俺の通知表のコメント欄に小・中時代ずっと毎回書かれていたのが、この「授業態度」だ。1学期に強烈なだめ出しをされ、2学期、3学期とその改善フォローと同時に軽いつっこみがいつもなされていた。

1学期:「授業態度を改めましょう。」   
2学期:「授業態度は少し改善されてきましたが、まだ集中力がたりません。」
3学期:「授業への集中力は高まってきましたが、授業以外の問題行動が目立ちます。」
といった具合だ。

このコメントだが、冷静に眺めてみると、実に変だ。

「授業」という言葉は、業を授けるという意味の熟語であるから、「授業態度を改めましょう。」というコメントは、教師側の自己批判に取れる。それを通知表に書くとは、自己懺悔でもあるまいし、何だか気持ち悪い。

3学期にいたっては、やっと教師側の集中力は高まってきたのだが、授業以外での問題行動とはいったいなんだ? 大人であるからプライベートの乱れであるが、これも改めて生徒、保護者に向かって懺悔する必要はない。

正しくは「私の授業の時のあなたの受業態度を改めましょう。」であるはずだ。

「授業」という熟語本来の意味合いが薄れ、「教師が教える場面」という意味に名詞化したものなのか、「授業中の受業態度」が短縮化したものかはわからないが、完全なる誤用である気がする。そのくせして、「授業」という熟語は、動詞+目的語の成り立ちとして漢検なんかでは定義されている。おかしいぞ。

②「(コンビニで)525円ちょうどお預かりします。」

俺がよく行くコンビニの店長のセリフだ。他のコンビにでもマニュアルなのか、この事例をよく耳にする。

つり銭が発生するならばわかる。「1000円お預かりします。」から「475円お返しします。」への流れは自然だ。

ところが、ちょうど支払ったにも関わらず、「お預かりします。」と言われても、「何を返してくれるんじゃ!」とつっこみたくもなる。

最初は、消費税のことを加味して「お預かり」なる言葉をマニュアル化したのかと思った。しかし、それならば「525円のうち、商品代金として500円をいただき、25円を消費税としてお預かりします。」となるはずだ。でも、こんな長い文句を早口言葉で言われたら、コンビニに行きたくなくなるし、店員も大変だ。

やはり、ちょうどのお金を支払った場合は、「525円いただきます。」とすべきだ。今までのところ、しっかり使い分けている店員にあたったのは数えるほどしかない。気持ち悪い。

③「ご苦労様です」と「お疲れ様です」

両者とも本来は目上が目下へのねぎらいの言葉として使ったものだと思うが、「お疲れ様です」は、今じゃ目下から目上へ使う表現へと変化してきている。それ自体はいいのだが、俺が気になるのは、893映画の場面だ。

三下が親分をお出迎えする場面では、必ず見事なお辞儀と同時に「ご苦労様です」と言う。上下関係の最も高いであろう組織で、目下が目上をねぎらってどうすんねん!
彼らなりの仁義的慣習なのだろうが、変な印象を抱かずにはおれない。

前の塾業の会社で、俺が校舎長になって赴任した校舎では、保護者に向かって、「ご苦労様です」という奴が複数いた。「なに仁義きってるねん!」とは言わないが、すぐに訂正をお願いした。塾と保護者という立場では、「お疲れ様です」も変な気がする。労う相手ではないからだ。

「いつもお世話になっております」から始まり、「今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。」等で終わるのが、堅気の仁義、いや挨拶だと思う。

言葉は変化するものだから、新語が生まれること自体は肯定している旨を過去ブログに書いたが、本来の用法が誤用されて定着した事例に関しては、少し複雑な心境だ。とは言いつつも、俺自体が「すいません」といった誤用を多くすることがあるのだから、噛み付くろくでなしだが・・・。

2 件のコメント:

Takabo さんのコメント...

気になる言葉、つうかイラっと来る言葉多いです。
「~でも大丈夫ですか?」
「~の方になります。」
「なぁんです。」とか(爆)

管理猿まえけん さんのコメント...

>takabo姫

「~でも大丈夫ですか?」
「~の方になります。」
「なぁんです。」・・・これ1番逆鱗!

あるある、富山限定の気もしますが(笑)。

英語勉強会、今回は参加出来ませんが、また誘ってに。