2008年2月24日日曜日

しぶとい青さ

今日は朝から家庭教師。テスト前ということもあり、中2の生徒を午前中3時間しごきあげた。
昼からは、以前ブログでも触れたのだが、不登校から回復の兆しがある高1の生徒と真剣対峙。相変わらずの感動。

夜は早い時間からゆっくりしようと思ったのだが、我が職場の相方1人が、もう1人の相方に対する不満の相談をしてきたので、急遽話し合いの場を設ける。

我が職場は3人で回しているのだが、俺と残り2人は、前の会社では俺の上司だった人だ。年齢的にも俺より高い人と下の人の3人だ。一応、最年長の人が塾長としており、その下に俺と、もう1人の彼がいる。 今では完全に俺が偉そう度ではキングだ。

一切の糞ドキュメントを排除した、生徒対応だけに全力を注ぐというスタンスで昨春以来、順調に生徒数を増やしてきた。お互いのスキルと人柄に対する信頼がある分、休みはきっちり取れて、理想的な稼業展開だと思っていた。収入は2年目の春の動員を待って、それなりに豊かになるだろうと期待していた。なかなかの門出だったのだ。

最年長の、前職の俺の上司が最近、妙にイライラしていた。しかし、俺は別に大人だからなんでもないと思っていた。ところが、年下の彼に向けて、えらく理不尽なことを言い出した。恥ずかしい話しだが、エゴと虚栄心からくる妬みに基づく苛立ちの吐露という、実に安っぽく小さい言動をしだしたのだ。

ほうっておこうとは思っていたのだが、一緒に働く最年少の彼の士気にも関わるので、本日話し合いの場をもった。 そして、俺のダイナマイトこ口撃で、ぺちっといわせた。

結論から言うと、最年長の塾長の彼は、俺ら2人に対する生徒対応のうまさに対する妬みを口にした。そして、それを認めた。なんでも、共同でやっているという意識を持っていたつもりが、いつの間にか自分の立場が軽んじられていると思うような低レベルになり、感情をコントロールできなかったみたいだ。

しょうもない上下関係、営利主義発想を捨て、生徒本位の理念で立ち上げた塾が、いつの間にか、上下関係を無意識に抱き、その結果、稚拙な言動となったようだ。

最年長の彼は、進学校から有名国立大学を出て、その後、世界的自動車メーカー、TOヨタの開発で働いて、種々の事情から実家に帰り、前の会社に働き場を求めた人だ。俺が始めて塾稼業に従事し、配属された前職の塾のある校舎のボスが彼だった。

エリート街道を歩んできた人とは思えない謙虚さと、子供への真摯な向き合い方を俺はお手本にし、彼の元で1年ちょっと従事した後に、俺は彼の立場を抜く、本部校のボスとなった。年功はあるとはいえ、かつての部下に実質的に立場を俺に抜かれた彼であったが、俺達の師弟関係は継続され、昨年の新規開業となった。専門学校と私立中学と塾の校舎を30校ほど持つ組織では出来ない、微妙なさじ加減の生徒対応が出来る教務力を武器に、同じ志の年下の彼を誘い、俺達は茨の道を歩みだした。

今日の話し合いで、最年長の彼は、群れを離れた子羊のような心境が生んだ個人的苛立ちが、俺達に不快感を与えたことをわびた。俺が10代の時には消化していた、他人に対する妬みをコントロールする力の無さを実感し、俺達にわびた。謙虚さは健在である。やはり、対人の感情のもつれは早期に手を打つのが基本である。

それにしても、エリートと言われる人たちが、その重ねるキャリアの一方で、ある意味欠落している精神的発達があることは、非常に考えさせられる。キャリア官僚が、幼児レベルのモラルを平気で破る心理の根底にある何かを感じた気がした。

正誤の基準はない。エリートはエリートの空間で一生を全うできたならば、問題は出ない。しかし、ワイルドな庶民の世界に舞い降りるや否や、中学生レベル以下のことでも苦悩して、感情をコントロール出来ない現実があることは事実だ。

エリートである一方、中学生レベルの苦悩を抱える彼と、エリートになる素地がない、中学生レベルの俺が抱える苦悩・・・。質は違えど、話し合いが出来たことをよしとしようと思う。どんなレベルでも苦悩はあるのだな?と思ったが、エリートと比べてあまりにタフな俺の精神状態を嬉しく思った。

そうなると、俺の精神的タフさを通常と思う俺の傲慢さが顔を出さないかが心配になった。俺は、種々の経験を経て、ワイルドに生きてきたつもりだが、その過程過程で毒を撒き散らしてきたはずだ。俺が踏みしめてきた環境と、そこで踏みつけられた人のおかげで、今の俺のタフさがある。

無邪気な中2のキッズ、悩み多き高1の青年、組織を離れたかつてのエリートおやじ、3人に触れた今日、俺は、迷える未成年者の初々しさと青い輝きの苦悩と、日光を浴びないまま育ったエリートの消化できない残骸の臭さを味わった。

そして、中途半端に生きてきた自分の過程が、精神面では頑丈な素地を育んでくれたことを嬉しく思った。嬉しく思い、全てに感謝するだけならば人格者なのだが、俺は少し、「お前らまだまだ青いな!」と独りよがりの優越感を他人に感じた。このあたりが、俺の青さだろう。

ともかく、青さがあってもいいから、負の苦悩が俺にないようにしたいと思う。色んな価値観とわが身の小ささと大きさを感じた日であった。こういう忙しい日も必要だな。明日(今日)は9時から22時まで、入試対策授業や、個別対応に追われる。今日とは別の意味で忙しいが、青い果実である若人に対して熟しきれずに枝から落ちない、しぶとい青さで臨みたい。

2 件のコメント:

サイトウユウジ さんのコメント...

そのねたみが、かつては競争心を生み、彼をエリートの座につかせたのかも知れませんね。
普段理性的な人の、感情の制御不能状態が非常にやっかいなのは、僕も経験済みです。
根が深そうですね。
そういう人はプライドの高さから自己正当化に走りがちですが、話し合い(制圧?)が上手くいったとのこと。
その場で前けん節を聞きたかったな。
再発しなければいいですね、彼の情動。

管理猿まえけん さんのコメント...

>サイトウ氏

さすがです。やっかいで、実は根が深いと思うのですが、根っこ引き抜くくらい、炸裂トークしたので、彼の数式まみれの頭では、そろそろ結論にいたるとおもわれます。ベクトル同じやねんけどね~。エリートは、到達するまでの過程もエリートであってほしいものです。貴殿を誇りに思います。