2008年2月6日水曜日

古本屋巡り

今日は、図書館で3時間ぐらい過ごした。最近は文庫では、京都のB氏お勧めのアシモフさんを中心に読んでいたのだが、久々に図書館でハードカバーの本を中心に読みたくなった。英米文学関連の本、国文学の本、郷土の本を中心に、流し読み、熟読をし、結局何も借りずに出た。釜が先の写真集を久々に書庫から引っ張りだしてもらって見た。無縁仏の墓映像に、再び衝撃を受けた。

ブックオフに入り、105円コーナーのみを物色する。最近、俺が探しているのは、大学の講義テキストに使われるような、学者の発行した馬鹿高い本の放出品だ。面白くもなんともないような字面が多いが、今になって読むと面白いものが多い。

大学の講義によっては、単位認定の甘い講義に限ってテキスト代が高い。どう考えても教授の印税収入に加担しているとしか思えない高額書籍を買わされるケースがあり、俺は、そんな科目は極力避けながら、通信教育のスクーリングを終えた。無性に腹がたって、「絶対読んでやるものか!」と思っていたのだが、卒業して数年経つ今、そんな書籍ばかりを片っ端から読んでやろうと思っている。

今日は古本物色が好調だ。すぐに目に飛び込んだのは、ずっと前から探していて、ヤフオクでは廉価で出ていたのだが、この目で見つける時が読む時と我慢し、念頭にあった本だ。

「知の技法」小林康夫・船曳建夫編(東京大学出版会)

東大の教養学部文系の必須科目のテキストらしい。今も使われているのかはしらないが、大学生になった人たちに、研究の視点、アプローチ、方法論を網羅した本だ。帰ってきてから半分くらい読んだが、実に面白い。天下の東大生といえども、1回生はしょせん、少し前まで暗記勉強の高校生だったのだなと納得してしまうほどの、当たり前の論説もなされているが、入学後にこういう科目を課すあたりが、さすがの東大だと思った。

続けて手にしたのは、著者名は書かないが、アニミズム関連の、定価が3000以上する、いかにもの書籍だ。アニミズムに興味があったのと、目次を見ていると「アメリカ先住民の生活と宗教」の翻訳がなされていたので、即カゴにいれた。ちらっと見たが、なかなか面白そうだ。

あと、天声人語の90年版、あまり好きではない大江健三郎さん、セルジオ・バンバーレンさん、横田創さん等、ハードカバーばっかり、併せて11冊のお買い物。しめて1155円也。

古本屋では俺は、105円コーナーしかいかない。なぜかというと、105円コーナーの中にある本だけで、十分楽しめるものがあるからだ。早急に読みたい本であるならば、新刊か図書館を利用する。古本屋では、その日の出会いを求めているので、値段は安ければ安いほうが良い。

以前は、文庫本コーナーの105円を中心に見ていたのだが、最近、紙魚に対するアレルギーが強くなってきて、読みながらかゆくなるようになった。そのため、高級紙を使っているハードカバー本が中心になってきた。

しかし、ハードカバーは寝ながら読むには不便だ。俺は片手で本を鷲づかみして固定し、空いている手でページをめくるのだが、ハードカバーだと、鷲づかみする手が疲れる。だからといって、書斎でイスに座ってなんざ、優雅な読み方は出来ない。ハードカバーの本の快適な読み方を体得するのが当面の課題だ。

ブックオフは105円コーナーにもやる気が感じられるが、ゲオの中古書籍はやる気がまるでない。乱雑に置かれている中で手にする本のほとんどは、いっちょまえの値段が付けられており、販売書籍棚を置く意味がわからない。物色するならブックオフが中心になりがちである。

ブックオフのヘビーユーザーな俺だが、本心はやはり、昔ながらの古書店を多用したいと思っている。入り口が狭く、奥行きが深い、昔ながらの古本屋に入った時の気持ちはたまらない。古書の醸し出す芳香と、未開だらけの背表紙の文字の羅列に対する興奮! そして、客を拒むかのような番頭風味の店主、そんな店主に気兼ねして、平台の廉価本だけを購入する時の緊張感。どれをとっても、古書店の映像は絵になる。好きだ。

俺の住む町にも、こういった佇まいの店はあるのだが、そこは郷土史、歴史的な色彩が強く、俺の興味順位としては離れてる。やはり、神保町に通える人々が羨ましい。

都会は、駅前にかなりの確率で古書店がある気がするが、田舎には本当に少ない。出来るのは大型チェーンばかりだ。ブックオフが悪いわけではないが、広い通路と背の低い書棚、明るい店内、どれをとっても、古書を探す時のわくわく感に劣る。贅沢な悩みかもしれないが、古書との出会いは狭い店内の明るくない電灯に限る。古本にはパラフィン紙がよく似合う。この点で見れば、田舎には真の古本文化が育ちにくいような気がする

最近は、新刊文庫棚に、古本マニュアル的な本がよく並んでいる。従来も、古本にまつわる書籍は多く出ている。これらの本を読んでいると、だいたい、古本に対して思うところは一緒なんだな~と思う。愛好家人口が多い古本の世界だが、これだけ大型チェーン店が増えてくると、古本屋という言葉から思い浮かぶ光景も、あと数十年したら変わってくるのかもしれない。古本屋で過ごす時間ほど楽しい時間はないのだが、これも変わってくるのだろう。

今日は、良書を手に入れることが出来たと思っている。しかし、手に入れ方に対する満足度は何故か低い。変な性格だ。まあいい、至福の読書タイムを過ごそう。ブログオフ!

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ほんまに、読みにかかるのも、読むのも早いなあ!
オレは先日やっと、日記に書いてたRobots and Empireろ読み終えました。間にあれこれ挟みつつ読んでたとは言え・・・
最近はjohn updikeさんセレクションの短編集を読んでます。

管理猿まえけん さんのコメント...

早いだけですわ。吸収のツボがずれてます(笑)。でも、再読した時に、意外と覚えていたりするねん。

アップダイクさんは、県立図書館のアメリカ文学の編集本で鳩のなんとかいう本を読んだことがありますが、あまり覚えていない(笑)

アメリカの20世紀の作家は未開の地に等しいから、色々読もうと思っています。

貴殿が言っていた、ハヤカワ邦訳のしょぼさは、少しわかるようになってきました。精進します。でも、洋書高いしな~。だから、洋物はついつい遠ざかります。