2008年11月8日土曜日

アパが悪い

航空幕僚長の論文が大きな問題になっている。この件に関しては色んな疑問と主張がある。

① そもそも、懸賞論文に航空自衛隊のトップといえども、たった1人の人間が書いたものが、大臣まで処分を下され、総理大臣が「なぜいけないか」を説明して、野党が追及するほどの事態にまでして騒ぎ立てることなのか?言論の自由の範疇ではないか?

② 問題の論文を読んだが、論文と言うにはあまりに稚拙で、大学1回生が書いたレベルの作文である。こんな文章レベルしかない人が、航空自衛隊のトップにいることのほうが問題ではないか?

③ 航空幕僚長だけでなく、自衛隊員がたくさんこの懸賞論文に応募したみたいだが、一体彼らの目的は何なのだろうか? 隊員が揃って応募するほどの熱意を持って取り組むべき懸賞か?

以上3点の疑問が非常に大きくて、野党が追求したり、関係者が尻拭いしたりしている姿がピンとこない日々であった。

3点について少し噛み付いて、自己の毒を出したい。

① 戦争という事態においては、被害者、加害者というのは結果論であって、侵略国とい
う立場は戦争の推移によって変わるものだ。戦争に優勢な国が相手国の領内に入った時点でそれは侵略になる。入ったらそれなりに悪いことするだろう。そして、負けた国が勝った国を侵略国と、悪口にして言うのは当たり前で、喧嘩両成敗が原則だと思う。

この点では、航空幕僚長の言い分も一理あるとは思う。いつまでも被害者としての感情だけで他者攻撃する、自己基準で中華の国があるから、奴らを意識した主張もついつい出てくるとは思う。だが問題は、その内容の稚拙さだ。

② 論文全体を読んだが、引用は曖昧で、自説の発展のさせ方は、単なる作文で、何の根
拠もない。この手の論文を本当に恥ずかしげも無く応募したほうもしたほうだが、入賞させる主催者のほうも???? アバアバ・・幼児レベルの主催者だ。アパだ。女社長の帽子が迷彩柄に思えるほど迷える会社だ。 まじでひどい。こんなレポートが入賞するのだったら、世の中の大学生に落第は発生しないのでは?と思う。

例えば、PDFでコピーの仕方がわからないので、乱暴な抜粋引用だが、「文明の利器である自動車や洗濯機やパソコンは、放っておけば誰かが作る。しかし人類の歴史の中で支配、被支配の関係は戦争によってのみ解決されてきた。」といったくだりがある。
まず、「戦争によってのみ解決されてきた。」ってほんまか? 支配、被支配の関係の話し合いでの解決は、多くの市井の場面で見られる気がする。根拠もなく断言できることではない。ブログじゃなくて論文なのだから・・・。もっと論調に強度が必要だ。

それに明らかに稚拙なのが、「文明の利器である自動車や洗濯機やパソコンは、放っておけば誰かが作る。」という前半の主張と、「人類の歴史の中で支配、被支配の関係は戦争によってのみ解決されてきた。」という後半が、「しかし」で結ばれている意味がわからない。逆接の関係になっている?? 少し理屈っぽいが知恵の足りない中学生の作文みたいだ。

③ 最後に、航空幕僚長以下隊員が、こぞって応募した事実を考えると、そこに何か目的
があったのだと思うのだが、それは何だろう?という素朴な疑問がある。

本質はどうであれ、これだけ過激な?というか、感情的で偏った意見を組織ぐるみで書き送ろうとするモチベーションは何か?すごく不思議であり、興味がある。この手のレベルの思想教育がなされるほど、偏狭な組織なんだろうか? 

以前のブログでも書いたが、自衛隊という存在を、本音と建前を取っ払って、必要な存在とみなしてあげないから、彼らも自己の存在意義にやっきになって、このような偏狭な思想を強めたのではないかと思う。つまり今回の論文は、存在意義を認められない自衛隊員の稚拙ではあるが、悲しい叫びの微小な発露であると思う。

ただ、タイミングは悪すぎるよな~。こんな論文を主催したアパが悪いという暫定結論にしておく。論調に強度を! 耐震にも強度を!

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