2008年11月11日火曜日

フォルダー管理の違和感

仕事柄、毎日のように教材プリントを作る。入試傾向、入試までに残された日数、現在の生徒の学力をクラス別に天秤にかけて、少しでもよいものを作ろうとする。

1度作成したものが、翌年にそのまま使えることもあれば、入試傾向の変化、その年の生徒の学力水準などによってマイナーチェンジを加えないといけないものもある。そうなると、作成プリントの数は増える一方である。

今日プロパティから見てみたら、900MBあった。ワード、エクセルで作成したプリントがほとんどであり、写真などの挿入もしているが、その大部分は手打ちの文字だけがぎっしり詰められたものである。それで900MBなのだから、すごいプリント量だと思う。

英、国、数のフォルダーに始まり、その中にそれぞれ、小、中、高のフォルダーがある。そしてさらにその中に、数多くのフォルダーが作られている。例えば、中学英語ならば、各学年別フォルダー / 短文 / 長文 / 新傾向問題 / 英作文 / 過去問 / 塾内テスト /
口語表現 / 講習テキスト / リスニング / 教科書プリント / テスト対策プリント / 英問英答 / 単元目標導入プリント・・・といった種類のフォルダーがあり、そしてその中にワード、エクセル文書がぶちこまれている。

今年の初めにフォルダーを整理したのだが、我ながらよく整理されていると思う。どこに何が入っているか、何を作成したかをしっかり覚えているので、適宜取り出しては授業プランを瞬時に組み立てられるだけの素地が出来上がっている。

バックアップに関しては、メモリースティック数本と、Micro SDのダブル体制で取っており、今のところ心配はない。

今のパソコンではスキャナーで、画像や過去問や図表は取り込むのだが、以前の会社時代は切り張りして原始的に作っていたので、パソコン保管ではない、クリアファイル保管のプリントもたくさんある。クリアファイルの数は14冊ある。今は、順次クリアファイル内のプリントをスキャナー取り込みして、パソ保管に移行しつつあるので、まだまだ容量は増えていくだろう。

パソコンは文書保管をするという面では素晴らしく機能的である。整理能力がない俺でも、今のような快適な保管、取り出し環境を維持できているのだから、パソコン普及の時代による恩恵を大きく受けていると思う。

ただ、俺の感覚が変なのかもしれないが、パソコン内に、自分が精魂こめて作ったものが詰め込まれているということに違和感があり、それをずっと拭い去れないでいる。実際に紙にしてプリントアウトすれば、クリアファイルで数百冊になるであろう文書が、画面をクリックしただけで取り出せる画面カバンに収納されていることが、何だか物足りないのである。

実際にクリアファイルに収納して、その膨大なプリント類に囲まれていると、自分が今まで積み重ねてきた成果が残骸と共に、物量として目の前に顕になる。それを俺は欲しているのかもしれない。

音楽にしてもそうだ、パソコンに音楽を取り込んで、クリックして音を取り出す作業が、未だに心地よくない。だから現在の個人パソコンには、音楽データはいっさい無くなっている。重くなるだけだし、CD-Rに焼いたらすぐに消去する。

CDを収納棚から探し出し、それをCDラジカセやカーステにセットする。そして、ジャケットを眺めながら聴く。この作業と、それを通して音楽を聴く心地よさに勝るものはない。だから、アイポッドなるものも興味ない。音楽はレコード屋でCDかレコードで手に入れるに限る。

時代の流れに本当にはついていけていない、偏狭おやじの偏った感慨なのだろうが、どうもパソコン内にものを保管するという習慣にはまだまだ馴染めそうにない。表向きは馴染んで保管もしているのだが、心地よくはない。

結局、大きさを認識できないと充足しない、物欲塗れの幼児心理を俺は未だに持ち合わせているのかもしれない。コンパクトなものよりも大きいものを、単数より複数を、わかりやすい幼児心理が俺を未だに支配している気がする。

そういえば、小学1年生の時のお年玉でもらった1000円札を、俺はおやじの1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉×2枚の硬貨10枚セット(332円)と交換してもらって、かなり喜んだ記憶がある。交換を提唱したのはおやじだ。
おやじはわが息子に詐欺を働きかけたというわけだ。何だか小さいぞ!>おやじ。

完全にだまされたわけだが、紙切れの札1枚が、硬貨10枚に化けた時の感覚は未だに嬉しい記憶として俺の心にある。それが今のパソコン保管に満たされない俺の性質を形作るきっかけとなったのだとしたら、おやじも罪作りなもんだが、現状では自分のこの性質が嫌いなわけではない。

今後もフォルダー内に多くの保管をしていくのだろうが、本質的な部分では、小さなフォルダーにあるものではなく、プリントアウトされた紙のほうに真実と満足を見出していきたいと思う。

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