2008年11月1日土曜日

大麻問題を斬る

大麻事件が後を絶たない。ここ数日は慶應、法政、同志社女子など大学生の大麻吸引が一気に表出してきたが、大学生に限らず、相撲界、トヨタ社員、国交省職員など、連日出るわ出るわの大麻吸引事件だ。

俺の家のすぐ近くに一級河川があるが、その上流の河川敷での大麻栽培摘発が、最近のニュースであり、都会だけの出来事ではなく、地方都市にも大麻が身近なものとなっていることがわかる。

俺自身は大麻吸引の経験はもちろんなく、今後も法的に規制されている以上、吸う気はない。その上での個人的見解だが、タバコが合法で大麻が非合法という現況自体はすごくナンセンスだと思う。

一部の国や州で合法なものが、別の国では非合法になる。大麻の依存症がタバコや酒よりも低いという化学的な検証結果がアメリカで報告されていることもふまえると、我が国の大麻に関する処置には根拠がない気がする。

元来、大麻の繊維は神官の装束や山車の綱なんかに使われていた(使われている?)という記事を週間朝日で読んだことがある。つまり、実に崇高で高貴なことに用いられる植物であることがわかる。山車を使う祭りは、そもそも神事と関連して伝統を築いてきたものだ。大麻は古来から身近にあって、重宝されていたことがわかる。

また、現首相の苗字を考えてみると「麻に生きる」と書く。こじつけではあるが、日本有数の良家のおぼっちゃまの苗字に使われているということは、麻自体が決して虐げられてきた草ではないとだけは言えると思う。

大麻が重要な場面で重宝される草であるということはそれを栽培する人がいる。もともと、大麻の種の所持は非合法でないらしい。ただ、栽培は資格制となっていて、無資格者が発芽させた時点で取り締まり対象となるらしい。かわいそうに、大麻は種のまま一部の人にしか栽培してもらえない不幸な草なのだ。無吟味な法律のせいで自生さえも困難な現況は、アサ科の草に対する人間の虐待であるようにも思う。

上記のような理由で、個人的には大麻というもの自体には法規制すべきではないと考えている。だが、大麻に手を出す奴に関しては、全面的に否定だ。現行の法律が否定している以上、法律を変える努力、主義主張を述べてもいいと思うが、何の目的があるにせよ、違法なものに手を出す奴を肯定できる理由は少しもない。現行法規で過ごすことができないならば、自分が求める法規のある国に飛び出すがよい。

まして、大学の小僧が、恥じらいも無くキャンパス内で取り引きしているなんて現状には目をふさぎたくなる。こっそりと自己の弱さから手を出してしまうならば、若気のいたりというか、まだわからないでもないが、後ろめたさも感じない慶應の内部進学の小僧は、人間として壊れている。人に迷惑かけないうちにこっそり逝ってほしい。チンピラはキャンパスを離れて野垂れ死にするのが似つかわしいと思う。

1番疑問なのは、大麻が本当に有害であるかについて、どうして国家レベルの議論がなされないのか?ということだ。薬に手を出す奴はたくさんいる。法も守れないそいつらは議論の中に入る資格はないが、合法、非合法の定義基準に関する議論がしっかりとなされているかといえば、否であろう。

しっかりとした議論がないまま、大麻を非合法とする現状が、逆に大麻の有害性質を作り出していると思う。つまり、大麻をきっかけとして、覚醒剤などに徐々に手を染めていくという悪い流れを作る入り口としての有害性だ。愚かな奴は非合法のレッテルを貼られたものに、無目的に手を出す性質がある。

大麻は東洋医学の薬草でもある。西洋医学のケミカルドラッグもそうだが、効果的な使い方(例えば痛み止めのモルヒネなんかがそうだが)がなされる一方で、それを幻覚目的で使う一部の奴がいる。こういう奴らが減ることは残念ながらないと思う。生まれながらにして、非合法で生きることを欲する奴はたくさんいる。

有害なドラッグへの手引きとなる可能性から、大麻を非合法にするというのならばそれでよい。だがそれならば、タバコの処遇はどうなる? 草をそのまま吸引するのと違い、有害なフィルターを通して吸引するタバコが、かつては専売として売られていた事実がある。その事実があるものだから、いつまでも有害なことに目をつぶって非合法に出来ないでいるお上の基準というのはどうかと思う。

無害なものが悪事を誘発するという理由で非合法になり、有害なものが国家自らのミスを認めたくないために合法のままで存在する。なんか違う気がする。

面と向かってタバコを非合法にすると、過去の矛盾をつかれるものだから、徐々に嫌煙ブームを作り出し、JTには徐々にタバコ以外の産業(食品など)への転換を助長するという姑息な政府の対応には辟易するのだ。

違法である大麻に手を出す奴は愚の極みだ。 一方で、大麻の是非について目を逸らしている政府も愚の極みだ。好奇で手を出す奴と、目を逸らす奴、両者の愚眼にさらされて、アサ科の植物は汚されていく。これも一種の自然破壊だ。

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