2008年11月16日日曜日

正と負の連鎖

昨日の「ほうるもん」ライブにお越しくださった方々、共演者の皆様、ありがとうございました。

個人的に、最近のライブで心がけていることは、「強弱をつけるための感情コントロールと集中力」だ。ガ~っと突き進みたい時に衝動を抑える必要はないが、突き進むことが曲にとって必要でない場面にも、今までなら突き進んでいたのが、だいぶ改善されたと思う。

感情をコントロールするためには、曲の全体像を巨視的に理解しながら、内部にしっかり入らないといけない。すごく簡単そうで難しいことなのだが、最近少しずつ身についてきたような気がする。唄物が多かった中盤もよくコントロールできたと思う。

手前味噌ではあるが、いいライブが出来たと思っている。昨日は、片田舎のロッキン小屋「さむでい」に、いつもお越しいただく盟友、そして、うちらを目当てに、たまたま以前のライブを見かけられた方が来てくださったりして、「さむでい」における「ほうるもん」ライブでは最高の動員の中、気持ちよくライブができた。

お客さんが入ってくださる。そしてその中で1つのバンド、ソロ音楽人がいい演奏をする。するとお客さんの空気が変わり、ライブ小屋全体に一体感と独特の良い空気が生まれる。共演者、対バンは、その方の演奏を見て刺激を受け、ハイソウルな演奏の動機付けが生まれる。するとさらなる良い空気がライブ小屋に充満する。正の連鎖だ。

話は変るが、世の中のニュースは、負の連鎖が多い。1つ問題が起こると、それと同種の問題が次々と起こってくる。一言で負の連鎖と言っても、そこには、①報道したほうが良い事例と、②報道しないほうが良い事例が存在する。

食品偽装の問題が1つ発覚すると、翌日から次々と別の会社の偽装が発覚する。これなんかは、1つの事件をきっかけとした内部リークの勇気付けが、悪事をさらけ出す要因になるのだと思うが、①報道したほうが良い事例の筆頭である。

大学生の大麻問題なんかも同種である。1つの大学で摘発があると、他の大学でも内部で様々な調査と情報提供がなされる環境を用意してくれる。病院内における使い回し発覚なんかの連鎖も、この①の適例である。

① の報道したほうが良い事件の連鎖については、悪事を暴く端緒が開かれるわけであるか
ら、結局のところ正の連鎖を生み出しているのかもしれない。

だが、②報道しないほうが良い事例のニュースは、どこまでいっても負の連鎖だ。

例えば、秋葉原事件の後、掲示板に殺害予告を書く奴が多く出たが、これなんかは、廃人が負のエネルギーによって満たされた結果だと思う。殺人事件が実際に起こった以上、報道しなければならない問題だが、加害者の詳細な供述、境遇にまで報道が及ぶものだから、廃人の負の虚栄心を鼓舞する結果となってしまう。

凶悪事件の加害者に対する詳細な供述は報道しなくていい。奴等の犯した悪事だけを箇条書きで淡々と記し、厳罰だけを科したら良い。センセーショナルな報道は負の連鎖を加速させる。人を殺して世に何かを問いたいと思う鬼畜の思うつぼだ。奴等の惨めさだけを粛々と記してやればよい。注目して連鎖すべき事例ではない。人間の仕業ではない。人間界に目を向けるべきだ。

世の中のあらゆる出来事に、報道に携わる方々が本当の倫理を持って接すれば、②のような負の連鎖はなくなり、正の連鎖だけが機能するようになると思う。

そうなれば、自浄作用が社会に働き、悪事が明るみに出る体制が整えられる一方で、生れ落ちた鬼畜が負の虚栄心を満たさないまま、惨めに灰に化す土壌も作られると思う。

いい音楽が流れ、いい会話がなされるライブ小屋の空気、そしてそこに集う人たちの持つエネルギー、そういった正の連鎖があれば、世の中の諸問題は減少すると思う。ラブ&ピース、音楽にはその力が確かにある気がする。

病み上がりで凹み気味だった日々を抜け、快活な日常に戻れたのも、心ある方との鎖、そして音楽の力が大きいと思う。すてきな空気と、すてきな時間と、すてきな関わりがあれば心身共に病むわけがないと改めて思った。

正の連鎖だけに包まれて日々を過ごしたいと思った1日だった。改めて、昨日関わりを持てた方々と音楽に感謝したい。

ライブ後の楽しい酒宴、翌日の今日も少々飲みたい気分が続いている。これなんかは、内臓に配慮すると負の連鎖だ。

正の連鎖の中には負の連鎖要因も混じっているのかもしれない。正の中から負を除去して、純正だけの連鎖を掴み取れたら俺の日々は安泰だ。明日からそうしよう! 今日は除去前夜ということで飲もう。負・フフ・・・。

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