2009年2月20日金曜日

気持ち悪い歌詞

気持ち悪い歌詞というのがある。もちろん個人的な価値観による気持ち悪さであり、一般的には気持ち悪くないのかもしれない。でも、俺には、「わざと気持ち悪さをねらっているのか?」と思うくらい、真面目には書けない歌詞が存在する。

やたらガッツな気持ち悪さと、トゥー・マッチ・センチメンタルな気持ち悪さのパターンがあり、その中間に、ノーマルな気持ち悪さがある。

ガッツな気持ち悪さの歌詞が扱う題材は、「人生」、「戦い」が多い。
一方、トゥー・マッチ・センチメンタルな気持ち悪さの歌詞が扱う題材は、「恋」が多い。

前者の例は、アニメ「サラリーマン金太郎」の挿入歌であり、後者の例は、虎舞竜の「ロード」が挙げられる。(原曲に対する敬意を欠いているわけではありません。)ノーマルな気持ち悪さの例は、「ミナミの帝王」の挿入歌だ。

だが、ノーマルな気持ち悪さの歌詞は、逆にセンスがいいとすら思えるほどだ。笑えるのである。

「鏡の中写る顔 それも真実~~~~~~大阪ドリーミンナイト」と、銀ちゃん、いや、竹内力様に歌われた日にゃ~、内蔵が痙攣するくらい笑える。とてつもなくダサい歌詞なのだが、「ミナミの帝王」の根底に流れるギャグ性を考えると、挿入歌としては、とてつもなく正しい気がする。歌詞の作者は絶対に、わかって作っていると思う。わかってダサくしていると思う。

音を聞いて、歌詞に触れて、笑える要素を持ったノーマルな気持ち悪さ歌は大歓迎なのだが、聞いてチキンスキンが立って笑えない歌詞がある。そして、それらの歌詞は、おそらく、作者も本気で真面目に、素で作っている。そして、そういった俺基準の気持ち悪い歌詞が、世間的には、大きな需要があるようにも思う。

人の感性の違いは面白い。一方が気持ち悪いと思うものを、もう一方は、その世界に感動して傾倒する。

そして、俺が気持ち悪いと感じる曲に限って、一般的な評価は、「熱い! 涙が出た! 励まされた! 元気が出た!」といったものだ。この反応も気持ち悪く感じる。

実際の歌詞を引用するのは、その作詞家に失礼で憚れるので、俺が気持ち悪く感じる歌詞のステロタイプを、今作詞してみる。俺が気持ち悪く感じるツボを味わってもらえたらありがたい。

※ガッツな気持ち悪さ・・・・曲名 「ファイアー・ダンス」

「心の炎 消してやいないかい お前のダンス 忘れてやしないかい
そんなステップじゃ勝ち目はないぜ もっと激しく もっと大胆に

 炎を燃やせ 限界なんてファイアー 燃やしてしまえ
 自分に嘘をつくな 言い分けなんてライアー 燃やしてしまえ

 ダンス・ダンス・ファイアー・ダンス(×3) 」


※トゥー・マッチ・センチメンタルな気持ち悪さ・・・曲名 「レイ二―・ラブ」

「泣かないで オー・マイ・ディア 
 降りしきる雨 僕がアンブレラ

 濡れた君の瞳 ノー・ノー・ノー 
 ぬぐってあげる 僕がワイパー

 レイ二―・ラブ 離しはしないさ
 レイディー・ラブ 濡らしはしないさ Hu~~~! 」


思いつきで書きながら、背筋に悪寒がした。実に気持ち悪い。

だが、俺もこの手の才能あるのでは?と思った。時にはガッツ、時にはトゥー・マッチな気持ち悪さで書くくらい、無尽蔵に書ける気がする。1秒も迷わずに、3番まで書ける自信がある。

気持ち悪い歌詞だけで構成されたセットメニューのライブを、やってみたら、究極のコミックバンドになる気がした。いっちょやるか? 俺の心に火が点いた。

だが、笑いのツボが入ると、ノーマルな気持ち悪さになる。センスを感じてしまう。それでは中途半端だ。俺の心に雨が降る。

気持ち悪い歌詞を究めるのも大変だ。火がついてすぐ雨降り模様・・・。
踊る気にも、恋する気にもなれない。

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