2007年12月3日月曜日

アパート酒倉アジト計画

俺は毎日酒を飲む。昨年の事故で入院した時に、18年間休肝日無しの連続飲酒記録は途絶えたが、毎日しっかりと飲む。結婚した当初は、毎日缶ビールを2リットル程飲んでいたが、この4年くらいは、発泡酒を700ミリリットル、そして焼酎をコップに一杯ぐらいが大体の晩酌量である。
休みの日は、やはり2リットルくらいいくが、日々の酒量は慎ましいものである。

ところが、昨夜の忘年会などの行事になると、酒量は肝臓を直撃する。生ビール中ジョッキ換算で10杯を下ることはまずない。

酒量は、ある一定レベルを超えると、際限なく体が欲する。だいぶ大人の飲み方を覚えてきたつもりであるが、やはり一定量を超えるとがぶ飲み体勢に入る。体育会系のキッズが、練習の合間にポカリスエットを補給するように飲みだしたら、その夜は眠る瞬間まで酒にまみれる。

しょせん、ビールが中心であり、アルコール度数を考えたら、決して大酒飲みとは思わない。人間ドッグ前夜でも酒を通常通り飲んで行ったが、肝臓の数値は正常も正常。

しかし、調子に乗って飲んでいると、沈黙の臓器の裁きを受ける日が来るのかしれないので、通常の日々は適量を守りたい。

昨夜は19時前から4時間くらいの飲み会であったが、やはり飲み始めるのは夕方4時くらいからが理想である。

俺は飲み会の時間を大切にしている。義理がけによる飲み会は嫌いで、出来るだけ排除しているが、心ある友との飲み会ならば、毎週のように参加したいくらいだ。

しかし、大人になってからというもの、こちらが心を寄せる友との飲み会も、早くて夜の8時以降になることが多くなり、また、頻度も高くない。じっくり酌み交わす時間が取れない現実を鑑み、過去を振り返った時に、無性にキューンとくることがある。

宵の時間から、何を話すでもなく、酒を酌み交わし、何でも思うところを際限なく語り、どちらかが酔いつぶれるまで話しまくり、一緒に次の朝を迎える・・・。これが青春だと思う。無尽蔵にある語りの欲求と、鬱憤の共有欲求を秘めた、青臭い人間同士が酌み交わす酒の時間は、実に清い時間であると思う。

次の日のことや、次の日の体調を考慮せず、ただ、ひたすら目の前の会話に夢中になれる時間・・・、残念ながら、大人になってからは少なくなった。それが大人の正しい時間の過ごし方なのかもしれないが、不満と未練がたらたらである。

「積もる話もあるからゆっくり飲みたいね・・・」といった、いつ遂げられるかもしれない計画だけを重ね、それが何一つ果たされない現状・・・。悲しくてたまらない。

冠婚葬祭の場面でしか、級友や親戚に会わなくなるのが自然な状況になる前に、俺は、宵から次の日までのスケジュールを空っぽにして、ただただ、自分が敬愛する友と飲む時間を1つでも多く、作りたい。酒が飲みたいだけではない。酒を飲み交わすことは、フランクな状態、裸の状態を持って場に臨むことを意味する。シナトラのように、エレガントである必要はない。乾き物をつまみながら、どうでもいいことを裸の心でだべっていたいだけだ。

不思議と、楽しい酒は次の日に残らない。義理がけの酒は少量でも次の日に残る。
きっと、楽しい酒は、体の消化も早いのだと思う。沈殿する心がない分だけ、利尿作用も促され、次の日には、また新たな活力を生み出してくれる。

俺は飲みたいのだ。家族の時間がもちろん優先だ。それでも、忘年会とか無理やりこさえた行事ではなく、定期的に友と飲み交わす時間を来年は少しでも多く作っていきたい。

俺が誘うであろう、友共よ、どうかその時は、次の日は気にせずに、そして、飲み始めも宵の時間から空けて待っていてほしい。屈託ない笑みと暴言と失言と、上質のユーモアを俺は届け、それに反応して、倍返しの言葉の応戦を待っている。積もり過ぎた話は、凝固してしまい、わずかな時間では融解しない。積もる前に踏みしめたいものだ。

老後に、京都の安アパートに一部屋部屋を借りるのが俺の夢だ。便所も風呂も共同の臭い部屋だ。
部屋の中には音楽再生装置とギターと冷蔵庫だけを置き、その部屋は24時間営業で、人が4、5人雑魚寝するだけのスペースがあれば良い。そこで、気に入った音源を持ち込み、訪れた人々と酒を飲み交わすのだ。近くに銭湯があれば尚良い。

上記の生活が、実現された時、酒は真に百薬の長となるであろう。百薬に溺れるのではなく、百薬を介した時間が尊い時間であり続ける限り、俺の老後は平穏に満ちた時間になるであろう。

それまでの間に、いかに楽しく飲み続けるか、それが大事なテーマだ。

俺は興奮している。こんな時間俺に言わせれば宵の口だ。嫁にもう1本ビールをおねだりする。
答えはつれない。でもそれでいいのだ。1人酒で俺の肝臓の容量を使う必要はない。120歳まで生きるであろう俺の寿命から逆算して、今日の酒量を決めたいと思う。嫁にも見守らせるつもりだ。

老後のアパート酒倉アジト計画・・・。どうだ!いいであろう。必ず実現させるので、その日まで、共々しぶとくあろうではないか! 

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