2007年12月11日火曜日

a lily of the valley

a lily of the valley  「谷間の百合」 ・・・「すずらん」である

実に綺麗だ。人間にとっての有毒物質を内に秘める植物であるにも関わらず、花言葉は、「幸福が訪れる」、「純潔」「純粋」であるらしい。

花、語感、内包した特性と意味、全てがたまらなく好きだ。

話は変わる。

夕食時にテレビを見ていたら、英会話学校講師リンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件 に関する報道がなされていて、容疑者の変装合成写真がでかでかと出されていて、所轄署からの情報提供募集の案内が流れていた。

生きているのかどうかはわからないが、この手のニュースにはつきものの、「元敏腕刑事」による容疑者の潜伏予想がなされていたが、テレビで予想する時点で、裏があるとしか思えないですな。

容疑者は友人の証言によると、「都会での生活に憧れていた。」とのことだった。敏腕刑事は、「犯人は都会に紛れて生活しているに違いない。生活力があって、普通に働いている可能性もある。」とのコメントを残していましたが、当たり前ですな。

これだけ報道されて、都会にいたら生活力あるに決まっているし、都会にいるかいないかは2分の1やし、テレビコメントとしては、あまりにお粗末すぎて、何か裏がありますな。

容疑者が都会で生活しているならば、テレビも見るだろうし、大方の予想を裏切らなくてはならないと思うはずである。容疑者のあぶり出しに、敏腕刑事が借り出されて、コメントをしたとしか思えない。
そうじゃなければ、実にごきげんなコメントだ。

犯罪、それも人を殺めるという行動をした人間が、その後逃走し、市井の喧騒に紛れ込んでいる時の心境って、どんなもんだろう?といつも思う。

俺は、犯罪は犯すことはない人間だと思うが、怒りが沸点に達した時に、たまたま手を出した時に、打ち所が悪くて・・・。そんなことは100%ないとは、残念ながら言い切れない。もちろん、長年の生活で理性を培ってきて、今は、ほぼ無いと言い切れるが、これから先に、どんな激情の瞬間が待っているかわからない。気弱な性格が幸いして、手を出すことは考えにくいが、親愛なる人間を守るための過剰防衛だって無くはない。

いつも、指名手配の写真には、すごく興味を持って見ている。情報提供をして、懸賞金を頂きたいという気持ちが大部分を占めているが、逃亡者の心理状態に対してもすごく興味がある。

同じ人間として、おぎゃ~と生まれてきて、誰もが愛された幼児時代があったにも関わらず、その後に、かけがえのない命を奪い、逃亡する人間心理やいかに?

小学生時分に見た、銀行篭城の梅川事件を初めとして、俺は犯罪心理なるものに、異常な興味を惹かれる素地が幼少から出来、今も定期的に追いかけている。その根底にあるものは何なのか?

凶悪犯罪は、単なる忌むべきものとして、被害者でない限り、完全なる外野で傍観していれば良いものなのかもしれないが、俺は、被害者心理と同じくらいに加害者心理に興味がいく。

犯罪者の心理と並んで興味があるのが、一度、栄華を極めた(極め方はしょぼく、一応世に出て名声を得たというレベルでよい。)人が、栄華を失った後で、どのように生きていくかにも、異常に興味がある。銅線盗んだ元アイドルや、シャブに手を出した元アイドルなど、この手のサンプルには事欠かないだけに、毎日の3面記事の報道に目を光らせ、その背後にある、彼らの境遇の変化と、思想の変遷を想像することが楽しいのである。楽しいという言い方は語弊があるが、色々思うのである。

俺は今日が誕生日だ。たいした感慨はないが、一応節目として、朝から少し襟元を正してみたりした。誕生日に考えて、ブログに書く話題ではないのかもしれないが、節目節目で負の心理を鑑みて、全うに生きようと意を新たにするのは大事だと思う。無難に、平穏な道だけを探していこうとするのが加齢のメリットではない。盟友「かぐらうた」の名曲に、「旅支度を前に襟を正す」といった趣旨の歌詞がある。これこそが、加齢の節目に思う、正しい心境だと思う。

犯罪者が持つ負の心理に思いを馳せないで正すような襟では、もともと正す必要が無い。絶対に無縁だと思える犯罪が多くあるが、奴らは宇宙人ではない。同じバブバブな時期を変遷した同人である。自分の中にほころびがないか、負に向かっている要素はないか、それらを頭で反芻しながら、新たなる旅路に向かって襟を正したい。家に篭らず旅には出るのだよ。真面目に旅をするのだよ。

リンゼイさんを殺めた犯人に告ぐ。もし生きているならば、『涙の谷』福田和子(扶桑社)を読みなさい!
悔やみきれない日々を過ごした人の教訓を君は生かして、償い先を見つけなさい。ノーモア和子!

『涙の谷』ってすごい言葉だ。和子がつけたのかはわからないが、究極の言葉だと思う。
和子を思う、肌寒い師走、俺は37歳になった。

襟を正して、旅支度! 旅の途上に立ち寄る谷は谷でも、「谷間に咲く百合」を目指そう。今年のキャッチコピーは「すずらん」だ。

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