2008年6月13日金曜日

臨機応変

郵便物数点を出しに、最寄りの簡易郵便局に行った。定型切手を数枚買って、その場で投函したかっただけの簡単な用事。

先客が1名いただけなのだが、待つこと5分。局内には4名の職員がいて、窓口は2つある。その内、1つの窓口の職員が先客を対応していて、もう1つの窓口には職員不在だった。

奥の方で、昼食を食べる音と匂い、おそらくもう1つの窓口担当の職員だろう。
昼食をとっている職員以外の人は、パソコンの前で考えごとをしたり、帳面をふんぞりかえって読んでいる。

俺と目が合ったのだが、単なる景色の1つ、軽く視線は流れていき、元の動作に戻る。

郵便局(ゆうちょ銀行)には、郵便局なりの仕事マニュアルがある。窓口対応担当でない人が、窓口対応をしないのは当然かもしれない。

ただ、なんとも割り切れない不快な対応。マニュアル対応は時に人をいら立たせる。
先客の人までが、俺に対してすまなそうに頭を下げる。俺は恐縮して、会釈する。
苛立ちは先客に対してあるのではない。目の前にいた、郵便局職員に対する苛立ちでもない。彼らに代表される、マニュアル人間の杓子定規な対応の、機械感に対する嫌悪から来る感情だと思う。

前職で感じていた、後輩指導面での限界を思い出す。

校舎業務、事務処理の仕方、教務指導、あらゆる研修を施してみても、どうしても教えられないものがある。表面的なマニュアルは教えられるが、その人の性質に起因するものは、具現化して教えることができない。もし教えようとするならば、それは時に、教える側の傲慢にもなる。

そんな教えられないと感じたものの1つが、臨機応変な対応力だ。マニュアルで文書化、数値化することと、臨機応変な対応は対極にある。そんな性質上、杓子定規に見たならば、マニュアルと矛盾する対応だからだ。

ただ、臨機応変な対応は必要であると思う。臨機応変な高い対応力を持った人が、その組織にとってマイナスをもたらしたり、誰かを不快にさせて、クレームになる事例は、皆無に近いと思う。

でしゃばり、逸脱とは違う、臨機応変な対応力・・・、それが備わった優れた人間性、教えられるわけがない。

コンビニに行く。俺がレジにいる。後ろでは、スポーツ新聞だけを手にした客がいる。手には120円を握り締めている。
店員が、俺のレジ処理をする合間に、後ろの客との金銭、商品授受をすませる。
その間、1秒未満の対応。俺は全く不快に感じない。後ろの人も感謝の念はわいても、不快になりようがない、

これが臨機応変な対応だ。今目の前にいる客が、どんな性質の人かを瞬時に判断し、その時の混みぐあい、購入商品、お釣りの有無、対応に要する時間、あらゆる条件を考慮し、瞬時に下す、誰も不快にさせない行動・・・・教えられるはずがない。

俺は、ついつい、このような対応が出来ていない人を見るにつけ、いら立ってしまうことがある。自分の未熟さに起因するものだとは思うが、上記の郵便局職員への対応に、憤りがわくということは、臨機応変な対応姿勢を俺が持っている証だとも思い、自己正当化をしている。

臨機応変な対応力が備わっているか、備わっていないかを、人の性質という一言でも片付けられない気がするが、ある人は持っていて、ある人は持っていない。持っていない人は、持っていない人の言動に、いらだつ視点もないだろう。そちらのほうが平和かもしれないが・・・。

ただ、必要な性質だと個人的には思う。みんなが臨機応変な対応力を持って、生活のあらゆる局面で活用していけば、景気も含めてあらゆる問題は鎮火する気もする。

臨機応変な対応力を育むためには、目の前の変化する1つ1つの事象に、真剣に向き合い、常に思考する習慣が必要だ。いい加減に時間にのっかっているだけでは、決して育まれない性質だ。

その習慣、性質を育みやすい環境、育みにくい環境があって、育みにくい環境が表層化したのが、「お役所仕事」という言葉かもしれない。蔑みににた扱いを受ける言葉だ。

だが、いや、だからこそ、お役所に勤めながらも、臨機応変な対応力を持って日々、公僕たろうとしておられる方々の苦悩は、計り知れなく大きいだろうと思う。そんな素晴らしい方の苦悩を感受出来ない多数の荷物を載せながら、役所は回っている。
是非は知らないが、俺は日々に真剣に対峙する。時間に乗っかるだけでなく、時を刻みたいと思う。 

2 件のコメント:

オオタ(アルカリムッシュ) さんのコメント...

臨機応変に対応すべき場面と、杓子定規に対応すべき場面の見極めも、やはり臨機応変なわけで、根本的な柔軟性というのはものすごく大切ですな。

仏頂面でマニュアル遵守なタイプの人って、意外と腹の底では「自分はシャイなのだ」なんて言い訳を備えてたりするので、驚かされます。
目の前の人間を理由もなく不快にしといて、何を勝手なことを・・と絶句してしまいますが、彼らなりの言い分があるのも、異文化的で面白いところです。

簡単に言っちゃうと、こういう部分こそが、まさに大人と子供の違いよね。
人生死ぬまで勉強だとして、まずこういう部分で切磋琢磨せんかったら、どこで頑張るのかなあと、素直に不思議です。

管理猿まえけん さんのコメント...

>オオタ氏
コメントが的確でわかりやすいよな~。それが言いたくて、言葉に出来なくて、うだうだと・・・。簡潔で毒もありながら直撃できる貴殿の言葉はすごいわ。

精進しますわ。