2008年6月11日水曜日

ユーモア、才能、志、間 

お笑いブームが続いている。栄枯盛衰が激しい世界、ネタの切れ味が素晴らしければ、それは両刃の剣であり、次のネタが前作を凌がなければ、すぐに飽きられてしまう。
色んな芸能世界があるが、お笑いの世界に身を置く人たちは、好き嫌いは別として、すごいと素直に感心する。

最近は、「モンスターエンジン」が断トツで好きだ。「神様コント」のシュールさは、いくらでも続きそうだし、基本的に2人の持っているポテンシャルが群を抜いているように思う。秀でたピン芸人を出来るレベルの2人が調和するコント、面白くないはずがない。
シュールな世界のネタに、現実感もある。

芸風と言う点では、勢い一発タイプなんだが、上原チョーも好き。
理由は、ひみトゥ~!テンポがすごい! お笑いに大事なテンポ感だけは、天性のもんだろう。

「ザ・パンチ」は、最初見た時は、素人臭さと間の悪さが痛くて痛くて、嫌いな部類だったのだが、最近好き。
「おねが~い 砂漠でラクダに逃げられて~」から大好き。やっと売り出しポイント見つけられたような気がする。

「ザ・パンチ」に好感持てるのは、舞台で外しまくって、すべりまくった時期を経てきている過程の過ごし方が素晴らしいと思うからだ。
どんなに人気が上がらなくても、腐らずに、前向きに、ひたすら芸風を信じて磨きをかける。
芽の出ない時期に、決して根性論ではなく、ひたすら楽しもうとする姿勢、卑下しない姿勢・・・、アマチュアバンドにも大事な姿勢だと思う。
なんだか見ていて清清しくもある。
失礼な言い方だが、基本的に才能という点では高いようには思わないが、今後も続けて笑わせてほしい。

テレビを頻繁に見ているわけではないのだが、すぐれたお笑い芸人には、うまいタイミングでめぐり合える。

コント芸人はむちゃくちゃいるが、漫才をしっかり聞かせてくれる人って少なくなった気がする。「やすきよ」はもちろん、「大木こだま、ひびき」みたいな存在に、なれる人っているかな?

毎回同じネタでも笑いが長続きするような人たちの到来を望む。

バンドマンが、ライブでひどい演奏をした時のさぶさと、お笑い芸人がギャグを外した時のさぶさは、どっちがつらいだろう?究極の選択だ。

最近興味があるのが、村上ショージ氏みたいに、外すことが面白い芸人の魅力はどこから出てきているのだろう?ということだ。
同じギャグのすべり方でも、見ていて痛々しいすべり方と、許せて、後からじわじわくるすべり方、これらも全て、芸人が持っている懐の深さに起因しているのだろうか?

客は正直だ。やり手の空気を察知することが出来る。やり手の中に背伸びや無理が見えると、それは客に気を遣わせる羽目になる。
やり手が確信持って、楽しんでやること、それが御大と小粒との差だろう。

音楽に当てはめても同じだ。才能ある人は、最初から何をやっても素晴らしいが、才能が溢れていない人でも、やっていることに確信持って、楽しむことが出来たら、いいライブはずっと出来るだろう。
俺はこの、楽しむということが1番難しいテーマだった。楽しめるようになったのは、30代に入ってからだ。

それまでは、人目を気にし、人を魅了するための従属精神だけに思想を支配されていた気がする。

来てくれたお客さんに対するサービス精神は、ライブという形態上、必要なことだと思うが、その前提には、やり手の高い志と楽しむ姿勢が必要だ。

この当たり前のことをやっと体感できるようになった頃には、ライブ頻度が環境的に下がっていった。まあ、そんなもんだろう。

今は、自然体で集中力を持って楽しめる。出すべき志向もしっかりしている。今からが本当の音楽人生の開始時期なのかもしれないと思っている。


夕方に、親友から突然の電話、北陸出張、忙しい商談の合間に電話をくれた。都合がつかず、久々の楽しい爆飲タイムは次回に持ち越しだが、彼の仕事への楽しみ方、志は触れるたびに敬服する。商談中が多く、なかなか電話が繋がらないことも多い。
今日になって、メールアドレス交換をした。

よく考えたら、今までメールで連絡をとった記憶がほとんどない。パソメールで数回やり取りしたことがあるが、いつも電話一撃か、サシでがっつり飲む。大人になってからずっとこの付き合いだ。
「今頃メルアド教えあうのってイッツロックやな!」と送信した。親友との間は不思議で深遠だ。

積もる話はたくさんあれど、時間が少なくても、ご無沙汰していた時間の隙間を瞬時に埋められる。あうんの呼吸をお互い持った親友との間、俺たちがお笑いコンビを組んだら、なかなかシュールなものが出来そうな気がする。退職後にでもお笑い修行をしてみようかと思う。

才能と間と志、究極のユーモアとロックについて考えながら、「ほうるもん」前回のライブ映像を見た。

志と並みのユーモアとロックがそこにはあった。才能はどうでも良い、間をしばし追究したい。

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