今日、「融通」を定義としてどう書かれているか調べたのだが、新たな発見があった。
俺の使っている昭和中期発行の辞書で引いたのだが、「ゆうづう」で調べたら載っていない。
そんな特殊な言葉でもあるまいし、1番掲載語句が少ない辞書でも載っている言葉のはずだ。
不思議に思いながら、念のため「ゆうずう」で引いたら、ちゃんと載っていた。
「通」という漢字の音読みは「つう」だ。だから、「融通」は「ゆうづう」だとばかり思っていたのだが、辞書には「ゆうずう」でしか出てこない。
不思議に思って、今ネットで「融通」と入力したのだが、「ず」か「づ」の違いについて言及されているページを発見できなかった。念のためもう1度調べてみたいが、絶対「づ」であるべきだと思う。
ネットで調べる時に、「ゆうづう」、「ゆうずう」の両者で変換をしたのだが、どちらでも「融通」が1番目に出た。どっちでもいいの?と、何かいいかげんな気持ち悪さを感じた。
辞書でもう1度調べる。
「融通」:(名)スル〔古くは「ゆずう」とも〕(1)金などをやりくりして貸し借りすること。「金を―してもらう」(2)その場その場で適切な処置をとること。「―がきかない」(3)とどこおりなく通ずること。 とある。
意味はいいとして、手がかりがあった。〔古くは「ゆずう」とも〕という部分だ。
「ゆずう」を調べてみる。すると「融通(ゆうずう)に同じ」とある。肩透かしをくらった気分だ。
とにかく、「融通」は昔、「ゆずう」と言われていたので、「融通」は「ゆうずう」と「ず」表記なのであろう。
でも冷静に考えてみると、「ゆずう」を漢字表記にするために、あてはめる漢字を考えた奴のミスではないか?と思う。
「融通」という漢字表記自体には仏教的ないわれも多くありそうだし、これから調べるが、字義はどうあれ、音であてはめた漢字が、「ずう」ではなく、「づう」と表記されるべきところを、間違えたのではないか?と思った。
そして、パソコン変換プログラムをする人の中で、その矛盾に気づいた(「気ずいた」ではない)人がいて、変換規則を「ず」、「づ」両方で登録したのだと思う。
すごく乱暴な予想だが、「融通」のひらがな表記は、実に「変」である。
俺は勝ち誇ったような気分になって、「へ! 漢語学者もしょぼいの~。」と思っていたのだが、その後、素朴な疑問がわいた。
「ゆうず」という言葉に漢字をあてはめる時に、「ず」という音を仏教用語としての意味合いに合うもので、あてはめようとしても、「ず」という漢字は、「図」、「頭」、「厨」、「豆」ぐらいしかないような気がする。
そのため、意味を優先して、本来「つう」である「通」を仕方なくあてはめたのかもしれない。漢語学者なりに苦悩した果ての「融通」なのかもしれない。
だから、「融通」の「通」は、音読みではなく、訓読みかもしれない。
漢字に対する深い造詣もないままに、こんなところが気になる俺は、少し「変」かもしれない。
今年の漢字は「変」だそうだ。種々の変化があった年、そして来年には良い方向に変化して欲しいという意味を込めての選定らしいが、1年を表す漢字が「変」というのは変である。変である俺が言うのだから、二重に変だ。
漢字は面白い。そして、変だ。
2 件のコメント:
『変』だなんてホント変だ!と、
変な私も思います(笑)
『ず』と『づ』、『じ』と『ぢ』、
自分の使い方誤ってやしないか、っていつも気になります。
頭痛はづつうでは変換しないし、
地震もぢしんじゃダメなのに、
融通はゆうづうでもゆうずうでも変換してくれますね。
なんでだろう???
ったく細かいよね~(笑)
そしてこういうヘンな面白いこと、
大好きなんだよね(爆)
>TAKABO
ほんま変やろ?
俺も日本語の細かい表記迷います。日本語はやっぱ難しいですわ。
僕は言語フェチですが、貴女の言語フリークぶりには、頭が下がる思いです。男まえけん精進いたしやす(笑)
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