2008年12月6日土曜日

中学生の恋

家庭教師をしている中3の男の子がいる。中1からだからもう2年以上の付き合いである。
この子が実に良い子で、人間として醜いところは何一つないのでは?と思えるほどのかわいさだ。

英語が苦手な子だ。That’s right. と That’s O.K. と O.Kの用法も区別できない子だ。だが今は受験生として追い込みに彼なりに取り組んでいる。

保護者の方から、学習のことはもちろんだが、それ以外のことでも相談をよく受ける。

その中でよく話題になるのが、「この子は中3にもなって、異性への興味、性の目覚めってあるのだろうか?」というものである。親として見ている範囲では、どう考えてもその方面への興味がなさそうに見えるというのである。

俺自身が関わりを持っている範囲でも、親御さんに同感だった。

反抗期らしい反抗期がない、といった特徴は、この子に限らず、全体的な傾向でもあるのだが、性の目覚めが全くないようであれば、それは心配だ。勉強なんかより大切なことである。

わが中学時代を振り返ってみると、友達と話すことといえば、性・性・性であり、その視線が「まぐわい」に向くにはウブであったが、好きな異性への想いを共有するのが友達であり、俺は親友とチックロマンな会話をくり返していた。そして、異性への思いを発展させた先に自分の将来を重ね、鳥肌ものの青さで思考した。

同時に、親に対しては距離を置くようになり、友達に親を見られるのが嫌だった。

ところが、上記の僕ちゃんは、未だに泣く時はお母さんの胸の中らしい。かわいすぎるのであるが、親御さんとしては、「私達は子離れに向けて少しずつ動いているので、子供も親離れしていってほしい。」との思いがあるようだ。親御さんの考え方には、個人的にもすごく共感できる。

そんな僕ちゃんが今日、「先生、来週の日曜日、デートやねん。」と突然言い出したもんだから、びっくりして俺は鼻汁が出た。

「俺、つきあっている子がいるねん。今度デートやねんけど、お父さんお母さんには内緒にしておいて。」と言うではないか。

すごく親御さんに報告してあげたいのだが、中学生とはいえ男同士の約束を破るわけにもいかず、話すことは後日談になるであろう。 だが、とにかくびっくり! 色々周囲が心配はしているが、ちゃんと時期が来たら、それなりに成長するのだ・・・と思うと、人のお子様とはいえ、感動で涙がちょちょぎれそうになった。鼻汁はちょちょぎれた。

ただ、付き合うきっかけというのは、現代的というか、パソコン普及後の時代のものだ。

何でも他中学の女の子だという。きっかけは友達の紹介(これまた複雑なのだが)だという。そして紹介というのは、メールアドレスを教えるというものらしい。この時点で昭和の男としては、軽く頭でゴングが鳴る。「出会いサイト業者か!」

そしてメールのやり取りが始まり、お互いに写真を交換し、数週間の文通、いやメール交換を経て、今回の初デート決定へと相成ったらしい。

つまり、2人はお互いに直に会話したこともないらしい。そんな形態が中学生で存在するということに、2回目のゴングが頭で鳴る。「ヴァーチャルか!」

この子の名誉のために言っておくが、この子は決して、実生活で対人コミュニケーション力に劣っているわけではない。むしろ、人見知りはしないし、「いいキャラ」として友達人気も高い子だ。

そんな子だからこそ逆に驚きだ。同じ学校でいくらでも恋する人ができるやろう?と、何とも不可解な気持ちを抱く。そして時にゴングが残響する。

今の中学生が毎日メールをやり取りしているというのは、保護者からの相談などでよく聞くが、それは同性内だけのものだと思っていた。もしくは、昔の交換日記の延長だと思っていた。

だが、時代はさらに先に転調していた。初デートが初顔合わせというのは、昔の高貴なお見合いか、現代版おやじ風俗のどれかであって、決して若さを感じさせるものではない気がする。

何に1番違和感があるかといえば、人を本当に好きになることが、日々の暮らしの接点にではなく、写真と文面だけで現実化してしまうことだ。正確に言えば、彼らは本当に恋をしているのだろうか? 少なくとも俺の世代の恋模様とは違うと思う。

とは言ったものの、彼にとっての初デートが、かけがえのない幸せの時間であり、良縁があることを願うだけである。

中学生の恋を、おっさんがあれこれ裁くのもどうかと思うから、肯定的にとらえるようにするが、何か釈然としない。say・say・say と、おやじの説法をしたくもなったが、今日のところは、「今後、逐一報告せよ!」 とだけ彼に言った。 

彼は、That’s right. と答えた。    

「ちゃうやろ!!!!!!  」 と俺が言うと、彼は、 That’s O.Kと言う。

中学生の恋、彼の英語力に俺は、K.O された。 OK ではない。

2 件のコメント:

くが さんのコメント...

中学の頃、友達と風呂屋に行くと親に言って、エロ本を回し読みしに行ったことを懐かしく思い出しました。当時ビニ本と言ってたなぁ。

管理猿まえけん さんのコメント...

>クガさん

ビニ本! なんたる芳しい響き!(笑)当時組んでいた、エロ本ボーイズクラブ(略してLBC)の購買部長が、自販機で買おうとしたら、販売音にびびって逃げてきたことを思い出しました(笑)

クガさんは銭湯が生活にあったんですね~。羨ましいです。