2008年12月21日日曜日

忘年会

昨日は俺の属する「食文化研究会」の忘年会だった。夕方17時30分から飲み始め、二次会カラオケに行っても、日付が変わらないうちに帰宅するという、大人の飲み会であった。

気が置けない人たちと飲むのは楽しい。話も面白いし、弾け方も心地よい。職場主催の飲み会、接待なんかの酒は、時にストレスも同席するが、酒とストレスが交じり合う場が本来の酒宴ではない。昨日はほんま楽しかった。

昨日は俺にとって、交通事故2周年記念日でもあった。「記念」という言葉は、一般的におめでたいことに使われがちだが、思い出として残す記念は、何も楽しいことばかりでなくてもよいと思う。

重たくて苦い思い出のほうが、時によく覚えているものだ。そして、その思い出が直視するに堪えないほど辛いものであればあるほど、それを抜けた日々の喜びも増していく。

過去の苦い思い出を記念して、今後のよりよい展開を祈念するためにも、個人的に「交通事故記念日」は設けておこうと思う。

さてさて、「忘年」とは言うけれど、個人的に忘れたいことがあったかといえば、今年に限らず、ずっとない。

今年は10月15日からの入院で、両目を手術するという恐怖体験もあったが、決して忘れてしまいたいとも思わない。基本的に、悲しい出来事こそ、決して忘れずに持ち越したいと思っている。

楽しい出来事だけをずっと覚えていて、悲しい出来事を忘れ去ってしまうのは、徒な懐古主義者に陥る契機となってしまうと思う。

過去にあった楽しいことの、その楽しさレベルを今、更新していかないで、楽しみのマックスが人生中ほどにあるようでは悲しい。

そのためにも、「忘年」は労苦を忘れることであってはならない気がする。労苦ほどしっかり胸に焼付け、楽しかった日々だけを翌年に流してやればいいと思う。「あの時はよかった。」という言葉だけを繰り返す日々こそ、忘年すべきである。

個人的な忘年感の論調はこれくらいにしておいて、今年の飲み会を通して気づいたことがある。

最近、スタミナが落ちたな~ということだ。飲み会といえば、オー・ナイ・ローンが基本であった俺が、今年の飲み会は親友との二人飲みの時以外は、全て日付をまたがずに帰宅している。

そして、帰宅後すぐに布団に沈没する。従来なら、仮に早く帰宅したとしても、家でもう一度飲み直していたものだが、めっきり弱くなった。30代後半で、早くも衰えてしまっていいのだろうか?

20代後半時の俺のスタミナは超人的であったと思う。特に、月1で下北沢「屋根裏」でライブしていた数年間は、ライブごとに超人的な体力を発揮した。

金曜日の仕事を終えてから、夜行バスで東京に向かう。バスの車中は翌日のライブのことを考えているので、眠れるわけがない。1時間半ごとに取られるトイレ休憩には必ず下車し、明け方5時前に、東京は、眠らない街の一つ、ブクロに降ろされる。

ビッグ・シティーに降り立った時の高揚感は凄まじいものがある。山谷、ポンギ、ザギン、歌舞伎町、ヤシブ、とにかく有名な地名と、893がいそうな場所順に、毎回テーマを決めて徘徊する。朝方5時から、少し電車は利用するものの、ほぼ歩きっぱなしで、街を散策するのだ。楽しくて、尽きることない好奇心が、寝不足を補ってくれる。楽しくて楽しくて、夢中で歩いた。

そして、12時から練習に臨み、15時入り、リハをして出番を待ち、ライブを終えた後は、お江戸の盟友「かぐらうた」御一行と飲み会に入る。さすがビッグ・シティー、朝までやっている飲み屋はたくさんある。俺たちは明け方5時までは確実に飲んだ。そして、明け方別れたあと、昼過ぎのバスの時間まで、再び散策を続けた。帰りのバスも、うとうとすることはあっても、がっつり眠ることはない。夜ではないので、車窓の眺めが俺の睡眠を邪魔するほど魅力的だからだ。

つまりだ、金曜の朝起きてから、日曜の夜に床に入るまで60時間くらい、まともな睡眠を取らずに起きているわけなのだが、それでも、月曜日からの仕事に支障はなかった。むしろ楽しい行事の後は精力的に仕事をこなしていた。

今、上記の行動を取ろうとすると、24時間目くらいで意識朦朧となり、48時間では吐血し、60時間ではお隠れするだろうと思う。

体力の衰えに一抹の寂しさはあるが、「あの頃はよかった」とは思わない。今、60時間耐久レースは出来ないが、自分のエンジン性能自体はよくなっていると思う。だらだらと体を酷使しないだけだ。負荷のかけ方が凝縮してきている気がする。

60時間起きつづけるなんてことは、神様の摂理にかなうことではない。不思議と眠くなかったとはいえ、やはり、「あの頃の俺は青かったのだろう。」今の節度ある行動と、それを支えてくれているスタミナの濃縮度合いも捨てたものではない。

体を大切に、節度ある時間内で、最大限のはっちゃけ方を27、28日の上京、ライブでしたいと思う。そして楽しき時間を過ごし、すぐに忘年したいと思う。日々楽しみは更新される。そんな日々であってほしい。

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