2008年12月14日日曜日

日曜ダイカー

俺は図画・工作が苦手だ。物を壊すことにかけてはプロフェッサー級であるが、修理することにかけてはビギナーもビギナー、ほんとできない。

ホーム・センターには、D・I・Y(Do it yourself)の文字があるが、「自分でしろ!」と命令されても不愉快なだけである。

そう思いながらも、日曜大工の出来るパパへの憧れがあり、いつかは機会があればやってやろうじゃないの!と万年思っている。

チャンスがあった。今年の春に、わが職場内の壁に穴を開けてしまい、修理が必要になった。だが、いつか修理しなければならないと思いながらそのままにすること半年・・・。

先月の末に重い腰をあげて修理を試みた。ホーム・センターに行って、何か売っているだろうと思ったのだが、売ってはいるのだが、何を買って、どのようにすればよいか全くわからない。

「壁の穴埋めに!」といったポップにつられ、パテを大量に買い込んだ。開いた穴の中に大量のパテを流し込んで、こてこてに固めたら何とかなると思っていた。

職場に戻り、穴埋め作業に取り掛かる。1分で挫折した。壁自体は数センチであり、その奥の板までが空洞になっていた。空洞だらけのところにパテを流し込んで固めるためには、パテがどれだけいるのか、途方にくれた。「パテって生コン流し込むみたいにして使うものかいな? いや違う!」と、さすがの俺も気がついた。

大量に買ったパテが早くも無駄になり凹む。人生でこれだけのパテを今後使うことはないだろう。どうしよう?と思いながら、捨てるのももったいないし、とりあえず壁の穴めがけてパテを流し込んだ。壁下に邪悪な堆積物ができただけだった。むなしい・・・。

開いた穴に何か壁みたいになるものをはめこんで、それにパテを塗ったらどうだろう?と俺は考えた。創意工夫というやつだ。凄いぞ俺!

ダンボールを切って、壁にはめた。はめようにも、奥支えとなるものがないので、奥の板から表面までの厚みになるようにダンボールを重ねて、強引にはめこんだ。

はめこんだ後、壁を少し離れたところから見てみた。 それは「なめとんか!」といった映像であり、己の加工能力の拙さに凹んだ。おまけに、はめこんだダンボールは、「ふっ!」と吹いただけで下に落ちた。完敗だ・・・。

「ほうるもん」ドラムの大将、タカに助けを求めた。彼は図画・工作能力に長けている。

彼は現場を見て、すぐに必要な材料、工具がわかったようだ。どこをどのようにして加工すれば壁が修復されるのかをわかる能力、すばらしいと思う。

どうやら、石膏でできたボードが市販されていて、その数百円程度のボードを買ってきて、壁穴に固定してから、壁紙クロスを貼り付けるらしい。俺の発想も悪くはない気がするのだが、どう考えても、ホーム・センターで石膏ボードなるブツを見ても、それが今回の修復に必要だとは思えない俺のおつむにも乾杯! いや、完敗だ。

今日、修理をしてもらった。手際よく進み、2時間ほどで終わった。材料費もたいしてかからなかったらしい。少なくとも、俺が無駄に流し込んだパテ代よりは安くついたみたいだ。

もうや~めた。D・I・Yは、俺には向いていない。高くつく。

人には適正がある。今度からは彼を俺御用達の日曜ダイカーとして動いてもらえるように、彼を仕向ける労力にエナジーを使いたいと思う。彼が手伝いと思えるだけの策略を練り、仕向けること、これも一つの図画・工作だ。

タカ、ありがとう。今日からあなたは俺の日曜ダイカーだ。代価は払う。よろぴく。

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