2008年5月18日日曜日

ライブ後記と吉野家百景

昨夜の、ほうるもんライブatさむでい、色々試行錯誤したうえで、テーマを持って臨んだのだが、演奏力としてはまだまだ課題が残った。だが、確実にバンドのカラーが出てきており、ロック色が鮮明になってきたと思う。これからが面白そうだ。好きな音楽のヘビーな部分を曲として具現化できるようになってきたので、引き続き色々曲作りをしていきたい。

楽しい夜はビールがすすむ。大蔵大臣の嫁の顔色伺いつつ飲むわ飲むわ・・・。久方ぶりに二日酔い。重症だ。前に二日酔いになったのは、2年前の6月だから久々の衝撃を味わった。

朝方から水気を欲し、井戸水を飲むのだが体が受け付けない。飲んでは吐き、飲んでは吐き、目はぐるぐる、頭は万力で締め上げられているかのような痛み・・・。

よく考えたら、昨日は昼間に飯を食って以来、何も食べずに爆飲したのだ。そら残るはずだ。吐いても吐いても水分しか出ない。

ぐるんぐるんに回った状態で出勤する。今までの経験上、この二日酔いを早く治すには味噌汁がいいことがわかっている。久々の吉野家味噌汁単品攻撃をする。

牛の肉を食してもらうことを生業としている店に、ふらふらになって入っていき、店員に向かって「み・みそしる」とつぶやく。 唖然とした顔で復唱しやがる店員。変な目で見つめないでくれ。

すぐに出された味噌汁を、ふうふうしながらゆっくり流しこむ。体に塩分がしみていき、歓迎ムードとびっくりモードの体の部位が対立を始めているのがわかる。

50円をテーブルにびし~!と叩きつけ、再び這うようにして店外へ。何だか背中に視線を感じるが、かまっている場合ではない。二日酔いだから立派な飲酒運転になるのだろう。安全運転で職場に向かう。白味噌あさりベースが体内に吸収されるまでに吐き出さないことを願う。

今は中間テストまっさかり。質問対応を受ける間も依然目は回っている。吐き気は継続中。

「~さん、ちょっと待ってに。ぼく~吐いてくる。」と対応中にトイレでゲボゲボ! 恥じらいおやじは音消しに水を流しながらゲボゲボ!

涙目で質問対応に戻る。「先生大丈夫? 若くないんやから無理しられんな?飲みすぎられんな~。」との生徒からの慰みの言葉が五臓六腑にしみてくる。

「うん、わかった。もう飲みすぎないからに。もう1ゲロだけさせて!」と再度の中断。今日は職場で13時から16時までに合計3ゲロ~! 体をはった酸っぱい情操教育の一環だ。

吉野家の味噌汁が効いてきだしたのは17時ごろからだったか、といってもほとんど便器の中に吐き出してしまったのであるが、何とか体が正常に戻りだした。

吉野家で50円攻撃は2回目だが、店員にとってはレアな客であろうと思う。ラーメン屋でライスだけ、餃子屋で漬物だけ、カレー屋でサラダだけを頼むようなものだ。申し訳ないが、体が肉を受け入れる状況にはなくて、俺はただただ汁を必要としていたのだ。

吉野家では奇妙な体験をしたことがある。平成9年のことだったが、15時くらいの変な時間に吉野家に着き、店内に入った。すると俺の後ろについてくるように30代くらいの生活レベルが高そうな女の人が入ってくる。そして、がらがらの店内にも関わらず、俺の真横に座ってくる。新種の逆ナンパか?とも思ったのだが、彼女の体からは、「何も聞かないで!私を見ないで!」といったオーラが出まくっている。俺はオーラに蹴落とされ、並み・玉子・味噌汁を食すことに集中した。

食事を終え俺が会計すると、彼女もまだ食べ終わらないうちに会計をすまし、俺の後ろをついてくる。そして店外に出たとたん、あっという間に車の方に消えていった。狐につままれたような体験だった。

この話をある人にしたことがあるのだが、何とその方も同じ体験をされたことがあるという。同じ店で同じ時間帯、女性のモンタージュもほぼ合っている。

推測だが、彼女の中で吉野家は、男の労働者が肉を食す雑多な場所であり、女性が1人で入るような場所ではないとの思いがあったのではないかと思う。彼女のプライドが吉野家に1人で入ることを拒んだのだろうと思う。

ところが、何かのきっかけで吉野家の牛丼を食して以来、無性に食べたくなってしまった。抑えきれない願望の解決策として彼女が生み出した方法が、適当な害のなさそうな男を待ち伏せし、一緒に入って、仕方なく付き合いで食べているという筋書きだけを店員に対して示すことだ。俺は牛丼を食べるための道具にされたってわけだ。なんかむかついてきた。

プライドが奇行を演出したが、彼女の牛丼への愛情は物本だ。彼女の吉野家への視点は間違っていないと思う。やはりガテンなおやじが、命がけで食す姿が吉野家には似合う。こぎれいな学生が「つゆだく~」なんてスマートに言うべき店ではない。紅しょうがで真っ赤に染めた牛丼タワーを汗を垂らしながらおっさんが食べる場面が一番似合う。

吉野屋の牛丼に魅了された1人の女性、 吉野屋の味噌汁にひき付けられた1人の中年男性・・・。吉野屋百景だ。

奇行の彼女は今どうしているのだろうか。 二日酔い治った。吉野屋ありがとう。

0 件のコメント: