2008年3月26日水曜日

邪悪な風

今朝方、悪寒を感じて目が覚めた。毛布はしまって掛け布団一枚で寝ていたのだが、えげつなく寒い。ぶるぶる震え、蓑虫みたいになって縮こまっては少し寝て、また寒くて起きるの繰り返しで朝方数時間を過ごした。

シャツに長袖パジャマにフリースジャンパーを着こんで寝ていたものだから、おそらく寝汗を大量にかいて、それが冷めてぶるぶるきていたのだと思う。邪悪な風が俺の体を刺激する。体中にトタンをかぶせて欲しいほどの悪寒を感じた。

それならそうで、上着を脱いで、下着を着替えてまた寝直せばいいものを、全く起きようという気にならない。俺の安眠を妨害する外部の刺激にいちいち反応できるほど、俺は勤勉でない。

9時過ぎ、目覚ましがなる前に起きる。鼻をかむと、実に何年ぶりだろう?鼻血がぼわ~~と付着している。びっくりして鏡を見ると、鼻毛もみっちり血染めされていて、その後かんでも出るわ出るわ。ティッシュペーパーをあほみたいに使って血を出し切る。

何だか体の節々がだるい。完全なる風邪の初期症状だ。俺は風邪の流行期にはひかない。いつも流行していない時に、さりげなく風邪をひく。奥ゆかしいのだ。

放尿する。笑えるくらいイエローだ。「うっそ~ん」と1人ツッコミを入れた。最近見たことないくらい、濃度の濃いイエローだった。確実に風邪だ。

尿を見るとますます体のだるさが増した。眩暈を感じ、悪寒も感じる。ここ数日脱いでいたパッチを着用し、家を出る。

タバコも案の定まずい。とは言うものの、本数が減るわけではない。確実にいかれているにも関わらず、いつも通り喫煙し、出勤前に銭湯へ。

日本人は風邪をひくと入浴することを避ける傾向にあるが、これは確実に間違っていると思う。風邪をひいたとき、またはひきはじめこそ、入浴することが一番の治療になると信じている。

俺の推測だが、風邪をひくと風呂に入ることを避けるというのは、日本の昔の入浴事情の名残だと思う。

むか~し、むか~し、ほとんどの家には風呂がなかった。田舎のほうが五右衛門風呂などの家庭風呂はあったが、都会では1つ1つの家の面積も小さく、長屋の文化だった。
その当時、人々は入浴を近くの銭湯で済ませていた。

小学校3年生まで俺は公務員官舎に住んでいたのだが、幸いにして風呂はあったが、当時の友達の家では、夕方になると銭湯に行く家が多かった。実際、今ほど大型でない町の銭湯がたくさんあり、各家専用の入浴グッズ置き場も完備されていた。
風呂は外で入るという入浴文化があったのだ。

そんな時代、風邪をひいた状態で銭湯に行くとする。すると帰り道に湯冷めする事例が多かったのであろう。だから風邪と入浴の間違った付き合いが始まったのだと思う。

医学的見解なんかはしらないが、俺は風邪の時ほど入浴を丁寧にする。もちろん、長風呂は避ける。下半身浴をしっかりして、湯上りは早めに着替えて、汗をかかない程度に暖かな場所で安静にする。そうすることで今まで回復してきた。

今日もしっかり浸かった。春期講習中とはいえ、午前中は授業を組んでいないので、ゆっくり風呂に入り、12時前に出勤した。少し体の節々のだるさは治まったような気がした。

春は出会いの季節だ。新学年になって初めて我が塾に来てくれたキッズもいるので、手を抜いて授業するなんてことは出来ない。ハイテンションで飛ばす。動物を見るような目で俺を見るキッズの視線が、病んでいる体のけだるさに突き刺さる。

だましだましハイテンションで飛ばしていたものの、夕方1時間の空き時間になると、再び悪寒が・・・。手元にパブロンもない。目は回るわ。力は入らんわで、だるだるだったが、夜の90分コマを再びハイテンションで2つこなし、家に帰る。

夜飯は海鮮どんぶりだ。病人ががつがつ食すメニューではないが、俺はペロッとたいらげた。そしてビールも2本、しっかり完飲。今、これを書いているが、なんだか体調が良い。

病は気からといった精神論を振りかざすわけではないが、俺の場合は、風邪をひいても日常生活をまったく変えない。それで今までやってこれている。きっとタフマンなのだろう。

風邪をひくとユッスン・ドゥールを聴くことが多い。なんだかありがたく、タラララ~~ンとなってくるのだ。トリップしている感じって、きっとこんな感じなんだろう。

邪悪な風に、こちらが態度を変えていたら奴らは調子にのるだけだ。タラララーンと浮遊しながらも、いつも通り過ごすに限る。

浮遊具合が高まってきた。風が強くなってきた。邪悪な奴らはまだ近くにいるようだ。仕方ない、今日のところは寝てやるか。決して逃げたわけではない。いつも通りの日々でたまたま今日は眠たいだけなんだぞ>風邪。      

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